伊勢孝夫氏「矢野阪神 守備特化でAクラス」

2018年12月20日 16時30分

捕手出身ならではの采配に期待がかかる矢野監督

【新IDアナライザー 伊勢孝夫】今季最下位に沈んだ阪神が今オフ、宿敵・巨人に負けじと戦力補強を成功させている。メジャーからピアース・ジョンソン投手(27=ジャイアンツ)、オリックスからFA入団した西勇輝投手(27)に続いて、今季13勝をマークした前中日のオネルキ・ガルシア投手(29)まで獲得。矢野新体制が発足し、チーム再建に向けた意気込みを感じさせる。本紙評論家の伊勢孝夫氏は来季の虎をどう見ているのか。

 バツの悪い話だが、私は今年の順位予想で阪神を優勝に挙げた。もともとは投手力のあるチームだし、藤浪が無事に復活し、その上で、打線でロサリオが打てばいけると踏んだが、結果はご承知の通り。どちらも誤算で一気に最下位に転落。評論家として格好悪かったものだが、では来年は?というと悲観する理由はない。初陣の矢野監督だが、私は間違いなくAクラス確実と見ている。

 今季、金本前監督で最下位になったといっても投手陣はリーグ2位の防御率(4・03)で見劣りしない。ここに西、左腕のガルシアが加わるのだから大きい。中日打線をバックに2桁白星を挙げたガルシアは本物だし、西もオリックスで10勝なら、確実に打力が落ちるセ・リーグでは13勝はいける。この2人が加入しての相乗効果で、さすがの藤浪も奮起するだろうし、小野、才木ら若手の活躍も目立ってきたことを考えれば、投手力はかなり期待できる。

 問題は打線で打率2割7分でもいいから30発打てる助っ人が…となるが、私はもう広い甲子園で、それだけの人物が入ってくるとも思わないし、実際難しいと思っている。目下、阪神は大砲候補の助っ人の獲得を目指しているようだが、私はそんなことよりも来年、矢野監督が「守りの野球」を徹底し、それができれば勝てると考えている。

 捕手出身で、打力優先的だった前任者と違い、来季はきめ細かい野球をやろうと思っているはず。3点取られるところを何とか2点以内に抑えられれば、という野球観でくると思う。現役時代に2度優勝を経験したことも頼りになる。

 私がヤクルト時代に仕えた野村監督もそうだったが、やはり捕手出身の監督は見るところが違う。打線の援護は当てにしない分、守りの重大性に、これでもかと注意を払う。私は矢野監督が、それをやろうとしていると思っている。

 チームの命運は戦力どうこうもあるが、将である捕手出身の矢野監督が握っている。