ソフトバンクの工藤公康監督(55)が17日、福岡・筑後市のファーム施設を電撃視察し、育成選手、リハビリ組の現状をチェックした。

 前夜(16日)にハワイ優勝旅行から帰国したばかりの工藤監督は「見ることが何より大事。直接見ることで本人が何をしているかが分かる」と語り、新戦力候補の実力、成長度を自ら確認した収穫を強調。ヤフオフドームに戻ると、球団フロントと意見交換した。

 このオフは多忙の合間を縫って台湾で行われていた「アジア・ウインターリーグ」を弾丸視察するなど精力的な動きが目立っている。

 それも無理はない。今オフのソフトバンクは、5年ぶりにFA戦線に参戦しながら浅村、西を相次いで獲り逃がし、いまだ補強はゼロ。しかも、摂津、五十嵐ら実績組を含む11人に戦力外通告し、球団がソフトバンクになってから最大のリストラを敢行した。在籍する外国人7人は再契約交渉中のグラシアルを含む全員が残留の見込みとなっているのだが、それでも支配下選手枠がスカスカなのだ。

 今秋ドラフトで指名した新人7人を合わせると現在、支配下はグラシアルを含めて65人。今後はトレードを模索しながら、育成枠からの支配下登録など内部昇格で戦力を整備する方向となっている。

 FA補強が振るわず、チーム強化が思うように進まない中で、戦力になりそうな若手は見つかるのか。指揮官は寝る間も惜しんで東奔西走している。