米大リーグから7年ぶりに復帰したヤクルトの青木宣親外野手(36)が13日、東京都内の球団事務所で契約更改を行い、年俸3億3000万円でサインした。3年総額10億円の契約を結んでおり、来季が2年目となる。 復帰初年度の今季はチームトップの打率3割2分7厘を叩き出し、10本塁打、6
7打点。青木は「そこそこの成績は残せた」としながらも「満足できないところもある。来年以降もっともっといい成績を残せるように頑張りたい」と気合を入れた。

 そんな青木が今年の開幕戦から行っていたのが「爆音ミュージック」だ。昨年は球団ワースト記録を更新する96敗でシーズンを終えたこともあり、今年も春先は「ネガティブに考えがち(なムード)。負け癖みたいな」とチーム全体が沈んでいた。

 この雰囲気を少しでも打破するために本拠地・神宮球場のクラブハウスで毎日、試合前の同じ時間に「上がる曲」(青木)を爆音で流した。「野球は瞬間のスポーツ。その瞬間にいかに力を入れられるかなので、そういうところから変えていこうと」と説明した。

 試合中もビハインドでは円陣を組み「ここから、ここから」と声を掛け続けた。精神的支柱として様々なところに気を配り、チームの2位躍進に大貢献した。首脳陣の一人は「やっぱり青木が来て、雰囲気がすごく変わった」と証言。球団幹部も「他の選手にとてつもなくいい影響を与えてくれた」と感服した。

 チームの中では高額年俸だが、別の球団幹部は「うちにとって決して年俸は安くないけど、3年契約にして良かった。今年の成績なら間違いなく(年俸を)上げなければいけなかっただろうし、チームへの貢献度を考えれば万々歳」とニンマリ。来年は「もっと打ちたい」と腕をぶすベテランがチームを18年ぶりの日本一に導く。(金額は推定)