6年連続Bクラスと低迷する中日で他球団もうらやむ“好成績”をコンスタントに残しているのが新外国人探しだ。最近10年でも野手ならブランコ(2009~12年)、ルナ(13~15年)、ビシエド(15年~)、ゲレーロ(17年)、アルモンテ(18年~)とタイトルホルダーを多く輩出し、投手もソーサ(12年)、バルデス、ジョーダン(ともに16~17年)、ガルシア(18年)と、まずまずの選手を獲得してきた。

 目利きの良さもさることながら、見切りのつけ方にも定評がある。直近では今季チーム最多の13勝を挙げたガルシアとの残留交渉が決裂するやスパッと方向転換。前監督の森シニアディレクター(SD)が中南米などを視察し、ドミニカ共和国出身で最速102マイル(約164キロ)を誇る大型左腕エンニー・ロメロ投手(27=ロイヤルズ3A)を獲得した。1年契約で推定年俸5000万円とリーズナブルながら、同SDは「ガルシアに匹敵するぐらいの球は間違いなくある。それなりのモノがなければ連れてこない」と胸を張る。

 多少吹っかけられても2桁勝利が見込める投手をそう簡単に手放せるものではない。しかし、森SDはガルシアについても「離日前は複数年契約でまとまっていたのに何かあったんでしょうね。こっちをバカにするような代理人と付き合う気はない。どっかのチームのように大金は使えない。俺が何のためにずっとやってきたか分からないだろ」と突っぱねた。昨オフも本塁打王のゲレーロ(現巨人)をあっさりとリリースしている。球団関係者が言う。

「契約のことでふっかけてくる外国人はうまくいかないことが多い。ゲレーロにしてもガルシアにしても、森さんだから操縦できていたところはあるし、ウチで成功しても他球団に移籍してダメになる可能性は十分ある」

 中日が国内他球団から外国人選手を獲得したのはウッズ(05~08年)が最後。縁がないと分かれば、さっさと別れて新たな出会いを求める。このシンプルな戦略が成功の秘訣のようだ。