腐るな! 巨人・原辰徳監督(60)が2日、ヤングGたちに“警鐘”を鳴らした。今オフは広島からFA宣言した丸の獲得に成功するなど大補強を敢行し、さらなる新戦力の獲得も目指している。優先的に起用される補強組に代わり、出場機会を失うのは主に若手たち。すでに悲観的な声も漏れているが、指揮官が求める姿は――。
 
 この日、東京都内で開かれた東海大相模OB会に出席した原監督は母校の面々と旧交を温めつつ「(巨人監督として)もう一発勝負してやろうという気持ちであります。恥ずかしくないように戦ってまいります」と決意表明。その後、報道陣に応対した指揮官は監督通算勝利数が長嶋茂雄終身名誉監督の「1034勝」まであと87勝(947勝)に迫った話題に触れ「そういうのはゼロですから。本当にゼロからスタートします。自分の中にはありません」と“無欲”を強調した。

 ミスターの記録こそ意識しないまでも、一勝ずつ積み重ねた先に見据えるゴールは変わらない。5年ぶりのリーグ優勝と日本一奪回だ。そのための戦力整備は急ピッチで進められている。新助っ人のビヤヌエバ(前パドレス)に始まり、オリックス退団の中島、西武からFAの炭谷、そして今オフ最大の目玉だった2年連続セのMVP男・丸の入団も決まった。さらに、球団ではクローザー候補の助っ人と日本球界復帰の可能性もある岩隈の調査も進めている。球団が莫大な資金を投下して補強する以上、新戦力が優先起用となることは明らか。そのあおりを最も受けるのは、ポジションがぶつかる若手たちだ。必然的にチャンスを与えられず、中には一年間ファーム暮らしとなるケースも出てくるだろう。

 そうした状況に、指揮官は若手をけん制するように「大きな誰が相手だろうと臆することなく。彼らにある最大なる特長は若さですから。経験というものは少ないかもしれないけど、若さ、それと大志というものはしっかり。間違いなく大きくなくてはいけない」とピシャリ。

 さらには「いい目標、ライバル、追いつけ追い越せという人たちが目の前にいるというのは、いいことだと思いますね」と補強についての持論を展開した。

 すでに、補強に冷ややかな視線を向けるヤングGの間からは「頑張り続けないといけないことはもちろん分かっています。ですが、僕らの出番はないかもしれませんね…」といった声もある。しかし、指揮官が求めるのは出番があろうがなかろうが、高いモチベーションを維持して向上に努めること。

 ましてや、編成面も取り仕切る全権監督が鳴らした“警鐘”。ふてくされようものなら、アッという間に放出される選手も出てくるかもしれない。