ソフトバンク・孫正義オーナー(61)が来季のリーグV奪回&日本一3連覇を厳命した。

 30日に福岡市内で開かれた球団のスポンサーパーティーにビデオメッセージで登場。「日本シリーズ2連覇という素晴らしい成績を収められた」とチームをたたえると「ただリーグの中の2位というのは、スカッと喜びを爆発させるには残念な結果となりました」。572人のゲストの間からは笑い声も起こったが、孫オーナーの偽らざる本心だった。

 さらに「私も1番以外は嫌なんですね。性格的に2番は受け入れられないんです。これはもうしょうがないんですね、性格ですから」と訴えると「そういう中で来年は何が何でもまた日本一を。そして今度はシーズンを通して文句なしのチャンピオンを祈念して、ぜひぜひ応援したい。私も球団の運営の一員として、しっかりと体制をつくっていきたい」と最後まで言葉は熱を帯びた。

 孫オーナーの「完全制覇指令」にはフロント、現場の誰もが背筋を伸ばした。後藤球団社長は「1番しか興味のないオーナーの下で仕事をするのはつろうございます」と苦笑いを浮かべながらも、フロントとして最善を尽くすことを改めて誓った。

 工藤監督は「今年はシーズン2位。来年はその悔しさを持って戦いたい。来年はかなり厳しいキャンプになります! 選手には苦労をかけるが、僕自身も何が足りないかを考えて、ひと回りもふた回りも成長して精進したい」。早くも来春の地獄キャンプを予告する異例の事態だった。

 本社、フロント、チームのトップが共通して誓うのは、リーグ優勝と日本一の完全制覇。師走を前に常勝軍団の本気度をうかがわせる“決起集会”となった。