セ、パ両リーグの今季のベストナインが26日に発表され、プロ野球初となる3度目のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成したヤクルトの山田哲人内野手(26)が2年ぶり4度目の受賞となった。昨年はチームが最下位で、個人的にも自己ワーストの打率2割4分7厘と低迷し、2014年から続いていた同賞を逃しただけに「去年は取れず、悔しい思いがあったので良かったです」と実感をこめた。

 ただ、満足はしていない。今年も守備の名手に贈られるゴールデン・グラブ(GG)賞に手が届かなかったからだ。ヤクルトの若き主砲は「高い壁ですけどね。守備でも認められたい気持ちがあるので、そこは永遠の目標です」と言う。もちろん「高い壁」と表現するのは、13年から6年連続二塁手部門でGG賞に輝いている広島の菊池涼介内野手(28)だ。

 菊池を超えなければ賞に届かないのは痛いほど分かっており「今年13失策しているから」と“敗因”も自覚している。それでもGG賞にこだわるのは「自分のモデル」と憧れ、今季限りで引退した松井稼頭央氏(43)が同賞に4度選出されていることも大きな理由だ。

「(昨年の)96敗があっての今年の2位。チームが目指す優勝はできなかったけど、確実に成長している。その一員として頑張れたのは良かった」と今年を振り返った山田哲。来年はタイトル、賞を総なめにしてチームを優勝に導く。