4年連続V逸の巨人は今オフ、原新監督のもとメジャーからビヤヌエバを獲得し、この日はオリックスを退団する中島の入団を発表。FA市場でも広島・丸、西武・炭谷の獲得を目指している。そんな活発な動きに対して、メラメラと闘志を燃やしているのが虎の新指揮官だ。

 矢野監督は「丸もどうのこうのとなったら、またすごいことになる。恐怖感は出てきている」と警戒する一方で「相手のことを思っても、操作することはできない。自分のチームをいかに良くするかということに集中したい。東京ドームは本塁打が出やすい球場だし嫌だけど、その中でどうやって戦っていくかを見つける。ある意味、強いところを倒す方がそれこそ阪神ファンは喜んでくれる。昔の人たちがつくってくれた“伝統の一戦”といわれるところを受け継いだ戦いをする」と意気込む。

 指揮官には今年1月に死去した元阪神監督・星野仙一氏の「闘将イズム」が根底にある。中日時代は当時の星野監督に阪神へトレードされ、阪神監督時代にはベンチでビンタまで食らわされる関係でもあった。それも愛情と理解している矢野監督は「特に巨人を倒すことには異常だった。『巨人はビタミン剤だ!』と叫んでいたのは覚えているし『マスコミも戦力だ!』というところも見習おうと思っている」と熱く話す。“G倒”はV奪回と同様のノルマと踏んでいる。

 まさにその意気や良し。球団営業部も「近年は広島を意識するあまり、巨人への意識が薄い感じもあった。意識してもらえる方が営業面でもありがたい」と喜んでいる。宿敵の巨人には7年連続で負け越し中。相手がこれでもかと補強をすればするほど、虎の闘魂にも火がつく。