中日・伊東勤ヘッドコーチ(56)が若手投手陣に“松坂超え指令”を出した。

 今季11試合に登板し、6勝を挙げてカムバック賞が決まった松坂大輔投手(38)について、西武時代にバッテリーを組んだ伊東ヘッドは「よくやったとは思う。(評論家として)キャンプのときに見たけど、まさかずっとローテーションを守るまでいかないまでも、ここまで試合数をこなして、ここまで勝ち星も挙げるとは思わなかった」と舌を巻く。

 17日に行われたファン感謝イベントのトークショーで、松坂は「来年は今年の倍以上投げて、倍以上勝てるようにしたい」と22試合登板&12勝を公約に掲げて意気込んだ。これに伊東ヘッドは「来年も、もっとできると再認識した年だったのでは」と言いつつ、若竜投手陣に向けて「逆に言ったら大輔を投げさせないぐらいのチーム力になっていかないといけない。来年も大輔に頼るようではダメだと思う」と力説する。

 今季のチーム防御率4.36は12球団ワーストとあって、伊東ヘッドは「まずはバッテリーの強化が必要」ときっぱり。松坂の存在は「若い人たちの手本になればいい」としながら「彼の背中を見て、抜くぐらいになってほしい」と若竜に期待を寄せている。

 20日、ナゴヤ球場での秋季キャンプを打ち上げて「最初は選手に言葉もかけづらかったけど、だいぶ距離感は縮まったと思う。もっともっと力を出せる選手はいる。それを最大限引き出すのがコーチの仕事」。6年連続Bクラスから脱却するために伊東ヘッドは燃えているが、来季は松坂の出番がないぐらい若竜投手陣は台頭したいところだ。