第49回明治神宮大会・高校の部が13日に閉幕し、札幌大谷(北海道)が2―1で星稜(石川)を下し初出場初優勝を飾った。これで来春センバツ出場の参考となる全試合が終了。“平成最後の甲子園”には果たしてどんな顔触れが並ぶのか。「甲子園のラガーさん」こと善養寺隆一氏(52)と本紙アマチュア野球担当記者が一般出場枠から21世紀枠まで、全出場校を完全予想したところ、今年は波乱を予感させる32校が出揃った

 アマチュア担当・佐藤(以下、佐藤):本紙恒例のセンバツ大予想、今年もよろしくお願いします。まずは一般枠。北海道は神宮を制した札幌大谷(北海道)が当確、ここに神宮大会枠が加わります。

 善養寺氏(以下、ラガー)」準優勝の札幌第一(北海道)だね。札幌大谷が星稜に勝つとは思わなかった。投手もいいし、センバツでは台風の目になるよ。

 佐藤:東北2枠は優勝校の八戸学院光星(青森)と準優勝の盛岡大付(岩手)。関東は4強の桐蔭学園(神奈川)、春日部共栄(埼玉)、習志野(千葉)、山梨学院(山梨)、東京は優勝校の国士舘(東京)が順当として、問題は関東・東京の6枠目ですね。

 ラガー:東海大菅生(東京)か佐野日大(栃木)の争いだね。前橋育英(群馬)と横浜(神奈川)はどっちもコールド負けで、東海大甲府(山梨)はシードで1勝もしてないから。試合内容から十中八九、東海大菅生でしょう。北関東から一校も出ないから、地域性が気にはなるけど。

 佐藤:北信越は神宮準Vの星稜(石川)、その星稜に決勝で延長15回引き分け再試合を演じた啓新(福井)。東海は優勝の東邦(愛知)、準優勝の津田学園(三重)が順当ですかね。

 ラガー:異議あり! 俺は津田学園じゃなく中京学院大中京(岐阜)と見てる。津田学園が決勝で大差負けした東邦に延長戦まで持ち込んでるからね。逆転選出があってもおかしくない。

 佐藤:番狂わせといえば、近畿も波乱でしたね。春夏連覇の大阪桐蔭(大阪)が2回戦負け。やはり選出は厳しいですか。

 ラガー:近畿は大激論になるよ。4強から龍谷大平安(京都)、明石商(兵庫)、履正社(大阪)、智弁和歌山(和歌山)は確実。次点で優勝校に惜敗した市和歌山(和歌山)。最後の1枠が大阪桐蔭、報徳学園(兵庫)、福知山成美(京都)の三すくみで、試合内容や組み合わせでは圧倒的に報徳学園。大阪桐蔭としては直接対決した智弁和歌山と大阪大会で敗れた履正社がどっちも準決勝でコールド負けしたのが痛い。だけど、今年は全体的に華がないじゃない。大船渡(岩手)の157キロ右腕・佐々木くん(2年)も出ないしね。高野連としては客を呼べる大阪桐蔭をねじ込んでくるんじゃないかと思ってる。

 佐藤:中国・四国は広陵(広島)、米子東(鳥取)、高松商(香川)、松山聖陵(愛媛)が順当で、残る1枠は。

 ラガー:21世紀枠の話にそれるんだけど、西日本の最有力が富岡西(徳島)なんですよ。創立120年以上の伝統校で、官房長官も出してる名門校。四国4強だから一般枠でも選べるけど、ここを21世紀枠にして中国3枠にするほうが据わりがいい。創志学園(岡山)の西くん(2年)も見たいけど、準決勝で接戦を演じた市立呉(広島)に分があるだろうね。

 佐藤:九州は筑陽学園(福岡)、明豊(大分)、日章学園(宮崎)、大分(大分)の上位4校で決まりですか。

 ラガー:日章学園はギリギリでコールドを回避したのがよかったね。コールドだったら興南(沖縄)の逆転選出もあり得たよ。

 佐藤:今年は過激な予想が多いですね。さて、先ほども話題が出ましたが、最も難しい21世紀枠の予想ですが…。

 ラガー:富岡西は三重丸、自信あるよ。東日本は古川(宮城)かな。ここも創立120年を超える伝統校で、各界に著名人を輩出してる。2校が伝統校だから、最後の1校は“へき地枠”。地域に貢献する活動をしていて、福井大会では啓新にも勝った金津(福井)が選ばれると思うよ。

 佐藤:これで32校が出揃いました。答え合わせは年明け1月25日に。

 ラガー:今から発表が楽しみだよ。

☆ぜんようじ・りゅういち=1966年8月13日生まれ、東京都豊島区出身。小学校から野球を始め、中学時代はライトでレギュラーとして活躍。都立文京高校進学後、選手生活に別れを告げ野球マニアの道に進む。高校卒業後、父が営む印刷会社に就職。99年から春のセンバツ、夏の選手権大会全試合を甲子園のネット裏最前列で観戦。黄色い帽子とラガーシャツから「甲子園のラガーさん」と呼ばれ親しまれる。168センチ、75キロ。左投げ左打ち。