6年連続Bクラスからの脱却を目指す中日・与田剛新監督(52)が、いきなり若手投手陣のハートをわしづかみだ。7日、沖縄・北谷球場で行われている若手10投手が参加する秋季キャンプに合流し、早速ブルペンで自ら往年の投球フォームを披露したり、一人ひとりに身ぶり手ぶりで熱血指導した。

 指揮官は参加投手最多の362球を投げ込んだ又吉に「300球を超えてからの集中力が大事。体が疲れて思い通りにならなくなってきたときに2つ3つは無理だから、どこか1か所(の修正ポイント)に集中するように」と指摘。3年目左腕の福にはカーブについて「いいところに投げようとすればフォームが緩む。逆にワンバウンドを投げるつもりで叩きつけろ」と指導した。

 選手の反応も上々だ。又吉は「ポイントが分かりやすかった」と言い、福も「教えてもらったカーブと抜くカーブの2種類を投げ分けられたら武器になる」。投球の際、着地する左足の歩幅を短くするよう指摘された三ツ間も「監督に言われて縮めてみたら、バランスも体重の乗りもしっくりきた」と目からうろこが落ちた様子。ブルペン投球中に「いいね!」を連発してもらった藤嶋は「いい角度で真っすぐがいったときに褒めてもらえた」と満面の笑みだ。

 積極的なコミュニケーションを図りながらのシンプルで分かりやすいアドバイス。新監督は「それは僕の脳みそがシンプルだからです。難しいことが言えないから」と謙遜つつも「結局、選手が分かってナンボ」と満足そうだった。