中日からドラフト1位指名を受けた根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が球団内で早くも男を上げた。

 4日、名古屋市内で入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円と新人選手の上限額で仮契約を結んだ。

 注目の「二刀流」について約80人の報道陣が詰めかけた記者会見で「ショート一本でいかしてくださいと言いました」と表明。球団サイドから野手でいくのか、それとも投手との「二刀流」でいくのか「自分で考えてやってくれと言われていた」と下駄を預けられていたことで、自分自身で決断した。

 実は根尾はショート一本で勝負することを「高校1、2年のときにはもう決めていた」と明かす。10月26日に与田監督から指名あいさつを受けた際も、すでに自分の意思を伝えていたが、指揮官は「二刀流と言ったらみんなが間違いなく喜ぶからね。本人の意思を尊重します」と結論を先延ばしにした。

 しかし、根尾がこの日“二刀流封印”を宣言したことで、チーム関係者は「与田監督や球団サイドとしては大きな話題にもなるし、もう少し二刀流をどうするか引っ張りたかったところだけど、根尾が会見で自分の口から堂々と主張したのは頼もしい限り。プレーだけでなく、言動もスーパースターだね」とうなる。

 内外野を守れる高校通算32本塁打の強打者で、投手としても最速150キロを誇るが、根尾は「(150キロは)あっ、出たなというぐらいの感じで、スピードがどうこうというのはなかった。(投手の未練は)ないです」ときっぱり。その上で「ショートはすべてのプレーに関わるし、チームの顔、一番の花形のポジション。憧れの大事な場所です」と力説する。

 中日では京田が正遊撃手のため、米村チーフスカウトは「そこに戦いを挑む意思を感じた。1年目から突き抜けた選手になってほしい」と期待を寄せる。

 根尾は「弱い者、技術のない者、結果が出ない者は排除されていく世界。負けたくない気持ちを前面に出したい」。強烈な負けん気を見せる黄金ルーキーの中日内の評価はうなぎ上りだ。