中日の秋季キャンプがナゴヤ球場と沖縄・北谷球場に分かれて31日にスタート。初日から約6時間半にわたって汗を流したが、ドラフト1位指名した根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)を巡り、ナインに緊張感が走っている。投手もこなす根尾がプロで「二刀流」に挑戦するのかどうかは未定だが、遊撃となれば1988年の立浪以来、31年ぶりの高卒開幕スタメンを果たす可能性は十分。4球団が競合した黄金ルーキーがそれだけのポテンシャルを秘めているとあって、開幕直前まで内野陣のレギュラー争いはシ烈を極める。

 根尾とは遊撃で直接のライバルとなり、二塁へのコンバート案までささやかれている2017年の新人王・京田は「今年はふがいない成績(打率2割3分5厘)だったので、いろいろ言われるのはしょうがない。でも同じポジションでも負けるつもりはない」とライバル心を燃え上がらせている。

 仮に京田が遊撃争いに敗れて二塁へコンバートされれば、大きな影響を受けるのは高橋だ。今季7年目で初の規定打席に到達するなど正二塁手の座をつかみかけていたが、そうなると三塁争いへ回されそうだ。高橋は「レギュラーが取れなかったら、そういう世界だから仕方ない。自分がレギュラーを取ったとも思ってないし、根尾君がどうとかじゃなくて、とにかく試合に出るために自分がやるだけ」と言葉に力を込める。

 根尾が加入することによって“玉突き”が起きれば、三塁手の福田もうかうかしていられない。選手会長も務める福田は「競争になるのは根尾君が入ってくるからどうとか関係ない。毎年一緒。みんなライバルですよ。内野手だけでなく、外野手だって捕手だって全員ライバルです。一番は自分が試合に出ること。そのためにどうするかはずっと考えてやっていかないといけない」ときっぱり。怪物ルーキーの存在にナインの間にピリピリムードが漂っている。