2年連続沢村賞の巨人・菅野 カネやんに並ぶぞ

2018年10月30日 16時30分

2年連続沢村賞に輝いた菅野

 巨人・菅野智之投手(29)が、2年連続で沢村賞を受賞した。29日、都内で行われた同賞の選考委員会で満場一致で選出。菅野は「この上ない喜び」と笑顔を見せつつも「もちろん、来年も沢村賞を狙いにいく。その中でも一番こだわりたいのは20勝、そして全項目クリアするという高い目標を掲げていきたい」と、400勝投手・金田正一氏以来2人目の3年連続受賞へ向け強い意欲を見せた。

 日本球界を代表する先発投手にふさわしい、力強い言葉が並んだ。初受賞した昨年との違いを問われると「去年は『取れちゃった沢村賞』。今年は狙って取ることを言い聞かせてきたし、公言してきた。有言実行で取れたので、達成感はこっちの方が格段にある」。

 登板試合数25試合以上、投球回数200イニング以上など、7項目ある選考基準をすべてクリア。文句なしの受賞となったが、菅野が自身の「美学」と語ったのが「完投」と「完封」だった。

 10完投の意義について「正直もっとできるのかなと思うし、そこは美学的なところになる。僕は最後までマウンドに立っていたいなっていう気持ちを常に持っている。分業制が進んでいる今だからこそ評価されるものでもあると思うので、そういう昔の日本のいい伝統を継承していきたい」と語ると、うち8試合の完封勝利についてはこう言い切った。

「大差で完封というのもあって、いろんな意見はあると思いますけど、完封は僕の美学でもある。そのときの気持ちは格別なものがあるので、どんな点差だろうが僕は大胆にど真ん中へ投げるようなことはしたくない。これからもゼロというものにこだわっていきたい」

 今季は昨季以上にマークが厳しく、開幕当初はゲーム中盤にKOされる試合もあった。向上心の塊のような男が「認めたくないけど(今季は)こんなもんだと思いますよ」と漏らしたこともあったが、投球への探究心がなえることは一度もなかった。その一端が今季習得した「高速シンカー」だった。開幕から2試合連続で5失点。その原因がシンカー習得にあるのでは、と指摘された。

 そして今季初勝利を挙げた4月13日の広島戦ではシンカーを投げずに勝ったことで“シンカー封印で良化した”とも言われたが、菅野は封印どころか、その後もシンカーを武器の一つとして使い、抑えてきた。

 チーム関係者は右腕の思いをこう代弁する。「周りは『新球習得』と簡単に言うけど、智之はリスクも含めて総合的に考え、相当の覚悟を持って取り組んでいた。『封印して良くなった』という言われ方には悔しい思いを持っていたはずですよ」

 この日、ジャイアンツ球場で受賞の一報を聞いた原監督は「勝つべくして勝つという状況で戦う人は大変よ」とねぎらいつつも「鼻が伸びないようにへし折ってやるかな」と冗談めかしたが、今の菅野にその心配は無用のようだ。

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