出身地・広島での日本シリーズを前に、ソフトバンク・柳田悠岐外野手(30)は高ぶる気持ちを抑えられない様子だった。開幕を前日に控えた公開練習では、普段より念入りに中堅付近で守備練習。風向きや照明の位置、光の反射具合などをチェックして本番に備えた。広島入りして街の雰囲気、懐かしい人の温かみに触れて、特別なシリーズであることを実感。「生まれ育ったところですし、メシは何でもうまい」と包み隠せない“広島愛”を炸裂させた。

 いつになくハイテンションだった。話がマツダスタジアムの戦績に及んだ際「過去の成績は(良くても悪くても)アテにならんですよ」とサラリ。ここまでは普通だったが、自分から「僕ね(旧広島)市民球場でよう打っとるんすよ! 調べてみてください」と話題を振った。

 マツダスタジアムの開場は柳田が大学3年生の時。すなわち、柳田がプロとして旧市民球場でプレーした経験はない。柳田は「小中高と、よう試合をしとったんですよ。小6の時にランニングホームラン。高校の時に柵越え2本。鮮明に覚えとるんすよ。5割くらい打っとるっす」とイタズラっぽく笑った。カープ男子だったころを回想し、最後は「野球が好きだったんでしょうね」と感慨に浸った。

 広島で実現する初の日本シリーズにギータの気分は最高潮だ。鷹党の嫉妬する声が聞こえてきそうだが、最後はきっちり鷹の主砲として「4つ勝つという気持ちでいきます」と自覚は十分。柳田の冗舌ぶりは、大暴れの予兆となるか。