中日・与田剛新監督(52)がいきなり困難に直面している。いまだ秋季キャンプの視察日程が決まらず、キャンプイン後もコーチ陣が全員揃うかどうかも分からない状態だという。

 そもそものつまずきは組閣作業が思うように進まなかったことだ。入閣を要請した複数の中日OBから断られてしまったことで、来季も現役続行するはずだった工藤隆人が急きょ引退となり、外野守備走塁コーチとして迎えるなど方針転換を余儀なくされた。

 それでも前ロッテ監督の伊東勤氏がヘッドコーチ、OBの中村武志氏がバッテリーコーチ、今季まで巨人三軍コーチの阿波野秀幸氏、ヤクルト二軍投手コーチを退任した赤堀元之氏がいずれも投手コーチとしての入閣が内定するなど、近日中にも球団から正式な組閣が発表される予定だ。

 しかし、急造コーチ陣とあってか、ナゴヤ球場と沖縄・北谷に分かれてスタートする秋季キャンプに初日から全員集まることは困難だという。今季一軍コーチで来季もそのまま一軍に残留するのはトレーニング部門を除けば波留敏夫、奈良原浩両コーチのみとみられており、あとは状況を知らないコーチばかりとなる。指揮官は「秋季キャンプに新しいスタッフと顔を出していきます」と意欲を見せつつも「メンバー全員のスタッフや選手が揃うかどうか、分かりませんが、できる限りいろんな形で参加していきたいと思う」と渋い表情を見せる。

 そもそも、新指揮官は時間が許す限り足を運ぶ予定だった、29日までナゴヤ球場で行われている秋季練習や、宮崎でのフェニックス・リーグを多忙のため結局は視察できないまま、キャンプインとなることが濃厚。新体制は前途多難と言わざるを得ない。