新生・矢野阪神は“脱スパルタ路線”

2018年10月23日 16時31分

谷本球団副社長(左)と握手する清水ヘッドコーチ

 今度は“脱スパルタ路線”というわけか。17年ぶりの最下位に沈んだ阪神は22日、一、二軍のコーチングスタッフを発表した。

 矢野新監督自ら招聘に動いた前楽天一軍外野守備走塁コーチの清水雅治氏(54)はヘッドコーチとして入閣。今季ファーム日本一を達成した二軍からは福原投手コーチ、浜中打撃コーチら5人が一気に昇格。矢野新監督に代わる二軍監督には平田チーフ兼守備走塁コーチが自身3度目の就任となり、今季一軍の“最下位首脳陣”の計5人が揃って二軍に配置転換された。新たに「育成兼分析担当コーチ」も設けられ、フロント職の日高氏が任されることになった。

 事実上の解任となった金本知憲監督(50)の後を受けて誕生した今回の新組閣。谷本球団副社長は「難しかったが、矢野路線に沿って今回の組閣となった。もともとは一、二軍の疎通を良くしていく狙いがある。若いコーチが多いから選手と一緒に悩んで一緒にやってくれたら」と期待したように平均年齢は45歳と大きく若返ったが、前体制の「ノルマ式スパルタ路線」は影を潜めることになる。

 矢野新監督と中日時代から親交が厚く4球団でコーチを歴任してきた清水氏は指導方針を聞かれ「(選手と)コミュニケーションを取ることが一番必要。選手がやりやすい環境にしたい。厳しいことも当然必要ですが、監督と選手が生き生きしてやれるようにするのが自分の価値」と強調。今季の一軍首脳陣の顔触れを見ても退団した片岡ヘッド兼打撃コーチのようなこわもて&熱血タイプはいないのが特徴となっている。

 ある球団関係者は「この3年で選手は“鉄人疲れ”が起きていた。練習はやらされ感ばかりで金本監督のイエスマンと化したコーチ陣の顔色をうかがう選手が増えた。厳しいだけで心が通じ合わなければダメということ。この組閣で来年本気で勝てるのか、と誰もが思うけど、やってみないとわからない」と話す。

 脱スパルタ路線が結果として奏功すれば問題ないが、選手間ではいまだに「もともと来季の続投が決まっていたとしても何で(今年の)一軍のコーチが責任を取らずにこれだけ残れるんだ」などぶうたれる声で充満…。貧乏クジ覚悟でチーム再建を引き受けた矢野新監督は立派だが、波乱の船出であることは間違いない。