【パCS】加藤伸一氏「攻めの姿勢で“引き出し”増やしたソフトB千賀」

2018年10月20日 13時00分

西武の超重量打線を封じた千賀

【加藤伸一 インハイアウトロー】<ソフトバンク15-4西武(19日)>まるでボクシングの試合を見ているような内容だった。この日の西武戦でソフトバンク打線は相手のガードが下がった瞬間、矢継ぎ早に連打を打ち込み、大量得点を奪った。スキを見せた側が一気にやられる。12球団でも屈指の破壊力を兼ね備える両軍の打線が対峙すると、このような展開になるケースがあることをあらためて感じた。

 その中で「インファイト」とも言うべき、攻めの姿勢を徹底していたのが先発としてプロ初の中4日でマウンドに立った千賀だ。立ち上がりから制球がいまひとつの割には慎重にゲームメークしていこうという意図は感じられず、いつも以上にテンポが速く明らかに飛ばしていた。

 おそらく中継ぎの延長と考えながら1イニングごとに勝負するつもりでマウンドに立っていたのだろう。この考え方は先々のことまで頭に入れなければならない公式戦の先発であればタブーだが、生きるか死ぬかの短期決戦であれば別問題。いわばケンカのようなガチンコ勝負の舞台では、こういう攻めの姿勢がハマると功を奏する。

 とにかく千賀は水を得た魚のように腕を振り、そしてアグレッシブだった。全力で投げるから、あとはボールに聞いてくれ――。そんな魂の込められた投球に西武打線がのみ込まれていた。

 4回に山川の一発を浴びたが、他の打者も含めてインコースにもきっちりと投げられていた。それが5回4安打1失点7奪三振、1四球という数字につながったのだろう。公式戦未勝利のメットライフで勝ち投手になったことも大きな自信となるに違いない。

 今季公式戦では13勝こそマークしたが、全体的には本調子でなかった。それだけにこの日の快投は大きな意味がある。球界を代表する投手になるためのステップとして「引き出し」を増やしたはずだ。(本紙評論家)