【セCS】大下氏「去りゆく由伸監督の心情に涙」

2018年10月18日 16時30分

試合前に大下氏(左)と真剣な表情で話す由伸監督

【大下剛史 熱血球論】のるかそるかの大一番をこんなに複雑な気持ちで見るのは長い野球人生でも初めてだった。

 リーグ3連覇の広島に臨む巨人はすでに高橋由伸監督の今季限りでの退任が決まっており、おそらく水面下では新体制に向けた組閣などの準備が進んでいる。敗れた者が去っていくのは勝負の世界の常だが、同じようにグラウンドで命を懸けて戦ってきた者の一人として「いろいろ事情はあるのだろうが、どうにかならなかったものか?」と思わずにはいられない。

 ヤクルトとのファーストステージでは、選手たちが口々に「高橋監督と一日でも長く野球がしたい」と言い、2連勝でファイナルステージへと勝ち上がった。

 ただ、やっているのは人間だ。それぞれの立場で、それぞれに思うところもあるだろう。試合前のグラウンドで少しばかり由伸監督と話をしたが、心情を察したら涙がこぼれそうになった。去る身でありながら大観衆を前に勝利を目指して戦うのは、皆さんが思っている以上に酷なことでもある。

 そうは言っても日本シリーズ進出を懸けた決戦は始まった。力は広島の方が上だが、まだ由伸監督はジャイアンツの看板を背負っている。気持ちを切り替えてやっていくしかないし、大変だとは思うが最後の力を振り絞ってほしい。由伸よ、簡単に負けちゃいかんぞ! (本紙専属評論家)