CSファイナルステージに駒を進めた巨人の勢いを止めることはできるのか。広島は15日、マツダスタジアムで全体練習を行い、投内連係の確認、シートノック、フリー打撃などで調整。“本番”を2日後に控えながらもナインに必要以上の緊張感はなかった。ただ、対戦相手の話題となると何人もの選手が警戒心を強めた。

 今季、巨人とのリーグ戦成績は17勝7敗1分け。大きく勝ち越しているとはいえ油断はなさそうだが、CSファーストステージ2戦目は菅野がノーヒットノーランで白星を挙げるなど、2連勝で突破した。これには選手会長の会沢も「(相手は)勢いもついてくると思う。“シリーズ男”をつくらせてはいけない」とキッパリ。菅野には10月4日に完封負けを喫しており「何回もやられるわけにはいかない」と気を引き締めた。

 30発100打点を達成した岡本、打撃好調の長野とマークが必要な選手が多い中、チーム内で「“シリーズ男”になるのでは?」と要注意人物に挙がっているのが田中俊太内野手(25)だ。赤ヘルのリードオフマン・田中広輔内野手(29)の弟でCSファーストSは2試合ともスタメン起用されると7打数3安打、打率4割2分9厘、2盗塁と結果を残した。

 CSファイナルSでは兄弟の同時先発出場が現実味を帯びており、兄の田中は「(試合に)出させてもらって彼の実力はすごいと思う」としたうえで「守備では弟に限らずだが、しっかりケアしたい」と話した。

 17日の第1戦で先発予定の大瀬良も田中俊を特に警戒しており「足が使える機動力には気をつけないといけない」。さらにチーム関係者も「坂本(勇)とマギー、岡本らにつなぐという意味でも(田中)俊太はキーになってくる。走者をためずに中軸と対戦してもらいたいし、しっかり抑えてもらわないと」と指摘した。

 昨季のCSファイナルSでは今季の巨人同様、シーズン3位のDeNAに足をすくわれている広島だけに、慎重な態度を崩さない。