【パCS】前田幸長氏「ソフトB東浜は絶好調に見えるが…今のままでは西武山賊打線につかまる」

2018年10月16日 16時30分

力投する東浜巨

【前田幸長 直球勝負】3位・日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで、勝つには勝ったが、ソフトバンクには課題が残った。先発の東浜だ。命運を託された第3戦で5回途中降板。失点は横尾に許したソロのみで計4安打に抑えた内容は一見すると合格点を与えたくもなるが「ナイスピッチング」とは断言しづらい。

 2点リードの5回に先頭のアルシアを単打で出塁させ、続く横尾には前の打席での一発が脳裏をかすめてストレートの四球。無死一、二塁でピンチをつくり、交代を告げられた。もちろん短期決戦は早めの投手交代がベンチワークの常とはいえ、工藤監督ら首脳陣の本音とすればせめて5回は投げ切ってほしかったはず。バトンを継いだ石川が後続を断ち、無失点に抑えたのは救いだった。

 この日、東浜が要した投球数は5回途中で75球。可もなく不可もなしというペースだったが、ボール球が多いことから見た目以上にリズムは良くなかった。カーブやスライダーでアウトローを狙うと真ん中に甘く入っていたところも気になった。今季は右肩痛で5月下旬から戦線離脱。8月に復帰後は9戦負けなしで6連勝を飾り、世間の目には「絶好調」と映りがちだが、実を言えば内容はそれほど良くない。

 最多勝に輝いた昨季と比較すると大胆さと制球の良さが失われ、今季は投球が慎重になり過ぎて本来の持ち味が消えている。復帰後の東浜について工藤監督が私に「だいぶ良くなってきたけどねぇ…」と語尾を濁す寸評をしていたことも、それを物語っている。

 西武相手のCSファイナルでローテをどう回すか現時点で断言しづらいが、終盤までもつれれば重要な第5、6戦あたりで東浜の登板機会はおそらく訪れる。日本ハムには何とか持ちこたえられたが、今のままでは山賊打線のエジキになってしまう危険性は高い。(本紙評論家)