【WBC】阿部に“イチローの悪夢”再び

2013年02月28日 11時00分

 イチローの悪夢再びか。第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開幕戦(3月2日、ブラジル戦=ヤフオクドーム)を直前に控えた侍ジャパンに、何とも危険な兆候がささやかれている。攻守の要で主将の阿部慎之助捕手(33=巨人)が「日本ラウンド不発に終わるのでは」というのだ。発信源は阿部をよく知る巨人サイドというから穏やかではない。阿部が第2回WBCで極度の不振に陥ったイチローと同様の状態に陥れば、日本の3連覇も夢と消える――。

 

 26日の阪神との強化試合でも阿部のバットから快音は聞かれなかった。「4番・捕手」で先発出場した阿部は3打数無安打。7回裏の守備から交代となった。

 

 これでここまでの対外試合4試合で12打数1安打。試合後の阿部は打撃の状態について「全然ダメ。きっかけはまったくありません」と苦笑。最後は「ここで焦ってもしようがないので頑張ります」と前を向いたが、自身の打撃の状態が上がってこないことに不安を隠せなかった。

 

 そんな阿部の状態を「第2のイチローになるのではないか」と心配しているのが巨人関係者だ。

 

「発言自体がナーバスになっているように感じる。従来、この時期に仕上がっていることはないわけで、もっとどっしり構えてもいいハズ。慎之助の良さは相手を完全に見下すぐらいの強気が持ち味。明らかにメンタル面が弱気になって、WBC仕様になっている」

 

 いくら例年より調整を早めたとはいえ、この時期に野手が本来のスイングができないというのは特別なことではない。にもかかわらず、必要以上に意識してしまっている今の状態は「精神的に危険な兆候」で、このままでは第2回WBCで極度の不振に陥ったイチローと同様…というわけだ。

 

 だが、阿部を取り巻く状況は前回大会のイチローよりも厳しい。イチローは野手のリーダーとしてチームを引っ張る立場だったが、阿部は4番として打線を引っ張るだけでなく、正捕手として投手陣も引っ張らなくてはならない。主将という大役について、阿部は「巨人でやっているようにできれば」「当たり前のことをやるだけ」と“平常心”をテーマに掲げていたが、あのイチローでさえも後にWBCでの経験を「心が折れそうになった」と振り返り、WBC後にチームに戻ってからは胃潰瘍で故障者リスト入りとなり8試合を欠場している。とてもじゃないが“平常心”を保てる状況ではないのだ。

 

「とにかく無事に帰ってきてくれ」というのが原監督を始め、巨人関係者の願いだが、阿部の重圧を少しでも軽くするためにも、野手陣は打線爆発、投手陣は完璧な内容で、といきたいところ。ただ、チームがこの調子で攻守の要が“機能停止”となれば最悪、1位通過はおろか、2位通過も難しいかもしれない。