中日新監督に伊東勤氏が浮上 森監督は退任→フロント入り

2018年10月06日 13時10分

伊東勤氏

 中日の森繁和監督(63)が今季限りで退任し、前ロッテ監督の伊東勤氏(56)が後任の最有力候補に浮上していることが5日、本紙の取材で分かった。6年連続Bクラスにあえぐ中日の再建を、捕手として西武の黄金期を支え、監督としても日本一に導くなど輝かしい実績を誇る伊東氏に託す。同氏は松坂大輔投手(38)のことも熟知しており、森監督はGM(ゼネラルマネジャー)やSD(シニアディレクター)など編成トップとして球団に残る見通しだ。

 中日の新監督に意外な人物が急浮上した。森監督の続投か退任かで混沌としているなか、現在は評論家で、侍ジャパンの強化本部で副本部長の要職にも就いている前ロッテ監督の伊東氏にチーム再建の切り札として白羽の矢が立った。

 伊東氏は22年間の現役生活でリーグ優勝14回、日本一8回、名捕手として西武の黄金時代を築いた。2003年限りで現役を引退し、04年に監督就任。松井稼頭央のメジャー移籍やカブレラの死球による長期離脱などで苦戦が予想されるなか、チームを2年ぶりのリーグ優勝、日本シリーズでは同じく就任1年目だった中日・落合博満監督との「オレ流」と「レオ流」の対決を制して12年ぶりの日本一に導いた。07年まで指揮を執り、09年のWBCでは総合コーチとして当時の原辰徳監督をサポートして2連覇に貢献している。

 11年はLGの臨時コーチ、12年には斗山のヘッドコーチと韓国プロ野球でも指導者としてのキャリアを積み、13年にロッテの監督として日本球界に復帰。深刻な戦力不足を西武仕込みの熱血指導と巧みな戦術で補い、5年間で3度のクライマックスシリーズ(CS)進出を果たすなど、非凡な手腕を発揮した。

 現役時代は西武一筋。指導者としても中日のユニホームを着た経験はない。いわゆる完全な外様で、監督就任なら1984年の山内一弘監督以来30年以上ぶり。森監督が退任するとなればコーチ陣の入れ替えも必至で、伊東氏の組閣構想には今季まで楽天の二軍投手コーチだった与田剛氏も入っている模様だ。現役時代の西武や監督時代のロッテで苦楽をともにした現楽天の清水雅治一軍外野守備走塁コーチの名前も浮上している。

 監督としての手腕はもちろん、伊東氏には別の期待も寄せられている。ソフトバンクでの3シーズンで一軍登板1試合ながら、今季から中日に加入して6勝を挙げた松坂の完全復活を手助けする役割だ。

“平成の怪物”が高卒1年目から16勝をマークし、3年連続最多勝を獲得するなどエースとして活躍したころは同僚として、04年からは監督として接した伊東氏。中日関係者は「伊東氏は酸いも甘いも知り尽くしている。今年6勝して復活したとはいっても松坂の実力からして、伊東氏からすればまだまだ物足りない、もっとできるはずと思っていてもおかしくない。監督になれば松坂をもっと勝たせられるはず」と声を大にする。
 そもそも伊東氏と森監督も、西武時代に現役として同じ釜の飯を食べた仲。この2年間で指揮官として結果は残せなかったが、いきなり1年目で大活躍したアルモンテやガルシアのような優良な外国人を獲得したり、兄貴分のように慕われるなど人望が厚い。森監督がフロント入りしてバックアップしてくれるとなれば、伊東氏としても心強いことだろう。

 中日内には土井正博打撃コーチ、奈良原浩内野守備走塁コーチといった西武出身者が多い。球団の編成部で国際渉外担当を務める元投手コーチの友利結氏も西武OBだ。

 チーム再建へなりふり構ってはいられない。来季は“血の色”を「ドラゴンズブルー」から「ライオンズブルー」に変えてでも、8年ぶりのリーグV奪回を目指す。