頼れる男がついに“聖地”に帰ってきた。左手小指骨折のため先月21日に選手登録を抹消された阪神・原口文仁捕手(26)が5日にスピード再昇格。同日の中日戦(甲子園)で今季代打として23安打目となる中前安打を放ち、2008年の桧山進次郎氏(49)と並ぶ球団最多タイ記録を達成した。

 0—6と大差を追う8回で登場した“新・代打の神様”を虎党は大歓声で出迎えた。「集中していたので、あまり聞こえなかった。先頭(打者)で塁に出る意識だけだった」と臨んだ打席で、相手先発・笠原の初球をセンター前に運ぶと、自身も新4番・大山の適時打で生還した。

 復帰後初安打を「しっかりタイミングを合わせて、自分のスイングを意識することだけ考えていた」と振り返った。今季残り6戦となったが「最後の最後までファンの人に喜んでもらいたい、という気持ちが一番。その戦力になれるようにしっかり準備をしたい」。Bクラスが確定し最下位に低迷するチーム状況にあるが、一戦必勝を改めて誓った。