対岸の火事では済まされないようだ。阪神が3日の広島戦(マツダ)を3―4のサヨナラ負けで落として最下位に転落。自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅した。これで3連敗とチームは最悪の状況で金本知憲監督(50)も意気消沈。“由伸監督の辞任余波”に戦々恐々とする声まで上がっている。

 最後は自慢の中継ぎ陣がつかまった。延長11回、一死一塁のピンチで救援した6番手・岡本が鈴木にサヨナラ打を浴びて敗戦。何をやっても勝利につながらない金本監督は「ずっとチャンスはつくっていたが…。勝負強さが欲しい。この今いるメンバーで意地を見せてほしい。全力に勝ちには行っているが…。もうやるだけですね」と力なく話した。

 CS進出を懸けた勝負どころで3連敗と負のスパイラルから抜け出せず、重い空気が漂う状況で、巨人・由伸監督辞任の一報は猛虎にも衝撃が走った。ある球団関係者は「同じタイミングで監督に就任して、ずっと比較されてきた由伸監督が辞めるとなれば『阪神のほうは、どうなんだ』という話になる。ましてや成績は、うちのほうが下。外野は騒がしくなるだろうし、監督が思い詰めなければいいが…」と顔をしかめる。

 伝統球団の“同期監督”として切磋琢磨してきた由伸監督が成績不振によって潔く身を引いたとなれば、同じくV逸して最下位危機にまで瀕する鉄人への風当たりが強まることは必至。そのため、金本監督までもが責任を取ることを考えないかとヤキモキしているのだ。

 今季は新たに結んだ3年契約の1年目とあって続投は基本路線。来季に向けた戦力補強についても球団側は金本監督を交えて会議を行っている。しかし、状況次第で路線変更した過去があるだけに、あるOBは「うちの場合、監督の契約は、あってないようなものだから…」と心配顔。いつ風雲急を告げてもおかしくはない。

 阪神は4日にもCS進出の可能性が完全消滅する。巨人のように激震に見舞われてしまうのか…。