西武10年ぶりVのMVP候補は誰か。現時点では激しいパ・リーグ打点王争いを展開している浅村栄斗(27)、山川穂高(26)両内野手の一騎打ちの様相を呈しているが、その一方でチーム内で最も大きな信頼が置かれている“陰のMVP”が2年目・源田壮亮内野手(25)だ。

 昨年、新人としてはプロ野球史上初となる全143試合にフルイニング出場し、歴代2位の155安打をマーク。文句なしの新人王に選ばれた源田は、今季も休むことなく試合に出続け、7月11日には長嶋茂雄(巨人)が持つ新人年からの連続フルイニング出場記録を更新(221試合)。リーグ制覇を決めた30日の日本ハム戦までその記録を281試合に伸ばしている。

 ショートという内野の要のポジションを守りながら、課題だった失策は昨年の21から8に大幅改善。29日のソフトバンク戦では今季の補殺数を510とし、遊撃手のシーズン最多補殺のプロ野球記録を70年ぶりに更新した。その上で2番打者として打率2割7分6厘、55打点、34盗塁と、昨年(2割7分、57打点、37盗塁)と遜色のない数字を残している。

 捕手の岡田は「試合の中でピンチの時、併殺が欲しい時はまずゲン(源田)のところに打たせる配球をする」と遊撃手として万全の信頼を口にする。まだ2年目ながら、もはや10年目のベテランのような風格でチームのバランスを取るバイプレーヤーの価値は計り知れない。