広島・広瀬外野守備走塁コーチが語る走と守の“穴”

2018年09月29日 16時30分

8月28日の巨人戦で相手のミスを突けずに一塁を回ったところで止まってしまった野間。後方は広瀬コーチ

 広島は圧倒的な強さで球団初のリーグ3連覇を果たした。悲願の日本一に向けて視界良好に見えるが、外野守備走塁コーチとして「隙を突く野球」を徹底してきた就任1年目の広瀬純コーチ(39)は「まだ走塁面、守備面でも課題はある」と手綱を締める。その一例が8月28日の巨人戦での走塁にあったという。

 ――8月28日の巨人戦といえば、チームが序盤に大量点を奪い、10―5で勝利した試合だが

 広瀬:3回までに8点を奪ったまでは良かったのですが、気になったのは5回、先頭打者の野間(峻祥)がセンター前ヒットを放った後の走塁です。二遊間に飛んだ打球が二塁手のグラブをはじいてセンター前に転がったのですが、野間は一塁で止まり、単打に終わったのです。

 ――本来なら二塁を狙えた

 広瀬:中堅手だった陽岱鋼のカバーも二塁手のグラブに打球が当たったせいで「1歩目」が遅れた。走塁には定評がある野間ですから、次の塁を狙う気持ちがあれば二塁を奪えた。でも、それができなかった。8―1と大量リードしていた場面なので見過ごしがちですが、これが仮に1点差を追う展開での局面だったら、この走塁は試合の勝敗を分ける致命傷になりかねない。実際、この試合は9回に巨人に猛追され4点を奪われた。こういう目に見えないミスや隙をなくしていかないと日本一にはなれないと思います。

 ――野間といえば、4月末の丸佳浩の離脱を機にレギュラーに定着し、8月中旬以降は田中広輔の不調からリードオフマンとして大活躍した

 広瀬:潜在能力が高い選手だからこそ広輔に代わって今の場所(1番)をつかんだと思います。でも走塁面だけを見ればリードの取り方を含め、まだまだポカもある。伸びしろがある選手だからこそ、期待を込めて指導していきたいと思います。

 ――「鉄壁」と言われる外野の守備もリーグ3連覇につながったはず。特に中堅手の丸はシーズン途中にケガをしながらも、外野陣をけん引した感がある

 広瀬:打撃ばかりが注目される丸ですが、守備力も成長しています。

 ――具体的には

 広瀬:今の丸は打球がどこに飛んでも、どう動けば処理できるかを頭の中にすべてインプットできていることです。左中間、右中間に打球が飛んだ場合、ライト、レフトの動きを見ながらどう動けばいいか。守っている選手に細かい指示も出せますし、相手選手の力量や傾向を把握した上で、守備位置を取ることもできる。自分が現役時代に組んでいた時から成長を感じていましたが、今はさらにうまくなった感があります。

 ――右翼手・鈴木誠也の守備はどうか

 広瀬:期待を込めて言うなら誠也はまだ課題は多いです。

 ――というと?

 広瀬:確かに記録上の失策数は減ったかもしれませんが、今の誠也ならもっと数を減らせたはず。打球への1歩目の反応や、右中間でのセンターとの連係を見ると、丸には及ばない。特に右中間の守備は丸に「おんぶにだっこ」で丸の指示に頼っている感じがします。

 ――では、鈴木は今後の短期決戦などを戦う上でどこを改善していくべきなのか

 広瀬:まずは単純なミスをなくすこと。その上で、状況判断を誤らないことでしょう。誠也は他の選手では追いつけない打球を捕れるような能力があります。潜在能力のある選手だからこそ、ミスを極力減らしてほしいです。

 ――最後に、今後の日本一に向けての抱負を

 広瀬:チーム全体の守備、走塁レベルは確実に上がっている。選手それぞれが力を出し切れるよう一丸になって戦っていければいいですね。