前人未到・岩瀬1000試合登板に黄金期支えた盟友・荒木が祝福の独占手記

2018年09月30日 11時00分

共に中日の黄金期を築いた荒木(右)はレジェンド左腕と笑顔で握手

 レジェンド左腕が金字塔を打ち立てた。今季限りで現役を引退する中日・岩瀬仁紀投手(43)が28日の阪神戦(ナゴヤドーム)で4―3の9回に7番手でマウンドに上がり、前人未到の1000試合登板を達成した。先頭の糸原に死球を与えたが、中日に同期入団した福留ら後続を打ち取り、8月21日以来の3セーブ目を挙げて自ら大記録に花を添えた。プロ20年目での大台到達を祝し、ともに黄金時代を築いた荒木雅博内野手(41)が本紙に独占手記を寄せた。

 岩瀬さん、前人未到の1000試合登板、本当におめでとうございます。ついにやりましたね。僕は野手でここまで2000試合とちょっと(2217試合)出場してますが、岩瀬さんは投手なのに僕の試合数と比べると2試合に1回ぐらいのペースで登板してきたことになるわけで信じられない。抑えもやってきたし、ここまで到達するのは想像を絶する苦しみを乗り越えてきたと思う。

 実際、抑えのときにだいぶ苦しんでいる姿を見てきた。1試合でもやられて先発の勝ちを消したりしたら、もうこの世の終わりぐらいの感じだった。これが2試合続けてやられようものなら、誰も話しかけることさえできないぐらい落ち込んでいた。あれだけ苦しんだからこそ、さらに練習をしていたし、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて達成したところに一番の価値があると思う。

 1000試合登板は、野手なら4000試合出場に匹敵するぐらいの価値があるのでは。今後、レギュラーシーズンの試合数が増えるとか、ものすごくタフな人間が現れるとか、よほどのことがない限り、この記録が破られる可能性はまずないと思う。やっぱりリリーフは毎日投げたりして、ちょっと頑張ったりすれば肩やヒジにかなりの負担がかかる仕事。岩瀬さんはそれに耐え得るだけの精神力と体を持っていたし、それだけ練習を積んできたということ。

 岩瀬さんのすごさというのは今になってよく分かってくる。結局、抑えがバチッと決まってほとんど失敗しなかったわけだから。今はどこの球団を見ても、抑えが苦しむようになっている。岩瀬さんを見ていたら抑えが抑えて当たり前のように思っていた。それがいかに大変かということをしみじみと感じている。

 岩瀬さんにはとても感謝していることがある。ある広島遠征で自分のミスが響いて試合に負けてしまい、かなり落ち込んで宿舎の部屋から出たくないときがあった。それでもやっぱり晩ご飯は食べておかないといけないと思っていたところ、岩瀬さんが行った店からの帰りにお好み焼きを買って来てくれた。それ以降も試合後は結構、疲れてしまうことが多くて、岩瀬さんに何度もお好み焼きをお持ち帰りしてもらうようになってしまった。本当に気を使っていただいて、ありがとうございます。

 とにかく野球に取り組む姿勢には素晴らしいものがあり、尊敬している。オフも動き出しが早く、鳥取とかにトレーニングへ行くし、シーズン中の休みにもしっかり自分の体の治療とかに専念している。1年間を通してプロ野球選手なんだという姿を見せてくれた。そういう姿を僕は若いときから見させてもらっているので、自分もやらないといけないなと思って参考にさせてもらってきた。本当に偉大な先輩です。改めて、おめでとうございます。(中日ドラゴンズ内野手)