西武が27日のソフトバンク戦(メットライフ)に7―5で逆転勝ち。11連勝で優勝へのマジックを「3」とした。4―5の8回二死無走者から四球と安打で好機をつくると、秋山翔吾外野手(30)がバックスクリーンへ逆転の23号3ラン。10年ぶりのVがいよいよ間近に迫ってきた。一方のソフトバンクは痛恨の逆転負けで連勝は7でストップ。快進撃によるミラクルムードは、一気にしぼんでしまった。

 西武のミラクルアーチが止まらない。辻監督が「打った瞬間に入ったと思ったよ。鳥肌が立ちましたね」と振り返った1点を追う8回、秋山の23号逆転3ラン。

 25日の楽天戦(楽天生命)で打った22号逆転満塁弾に続くミラクル決勝弾に、秋山は「(ガッツポーズは)ちょっと高ぶってしまって、らしくないことをしてしまいました。反省しています。何とかしたいと、それだけ。ツーアウトなんで打つか打たないか。腹をくくってできた」と会心の一打を語った。

 これで今季最多の11連勝。ここ3試合の得点(計15得点)はすべて本塁打によるもので、24日の敵地・楽天戦は浅村、山川、栗山の3連発から最後は延長10回に中村の27号決勝弾。続く25日の同戦は2点を追う9回に秋山の22号逆転満塁弾。そしてこの日は森の16号先制3ラン、山川の45号ソロ、秋山の23号逆転3ランと絵に描いたような効果的なアーチで10年ぶりVを「マジック3」まで引き寄せた。シーズン764得点は2001年の近鉄“いてまえ打線”(770得点)を軽く追い抜く勢いだ。

 チームの精神的支柱・栗山は「相手バッテリーは怖いんでしょうね。(この日先発の)バンデン(ハーク)があれだけ慎重になってボールが多くなっているというのは、やっぱり怖いからでしょう。まさかの一発があるから。実際にこうやってホームランで決まっちゃうんですからね。(説明は)全然つかないです。強いて挙げれば球場の雰囲気が全然違う」と解説。ミラクルアーチ連発の秘訣は、説明不能なファンと選手の一体感だと推測した。

 このまま勢いに乗って2連勝、または1勝1分けで本拠地最終戦の29日に地元胴上げが決まる。

 辻監督は「可能性ができたということです。楽しみじゃないですか。明日は雄星がやってくれるでしょう」とホークス戦通算0勝13敗のエースの奮起に期待。菊池にとって9月28日は、ちょうど自身初の2桁勝利をマークした2年前の最終日本ハム戦で6回1失点の好投を演じながら母校の後輩・大谷の1安打15奪三振完封勝利で目前胴上げを見せつけられた屈辱の日でもある。

 あれから2年を経たエースが、その経験を糧にチームの悲願に王手をかけられるか注目だ。