広島V3呼び込んだ投打の要・丸が5年連れ添う”愛棒”

2018年09月27日 16時30分

松山(左)にビールを浴びせられる丸

 赤ヘル自慢の強力打線をけん引したのは今季も丸佳浩外野手(29)だった。優勝を決めた26日のヤクルト戦でも先制打を含む3安打3打点。昨季を大きく上回る38本塁打はリーグトップタイで、DeNA・筒香と激烈なキング争いを繰り広げている。

 ただ、昨季のMVP男も今季は順風満帆な船出ではなかった。春季キャンプでは右肩の状態が上がらずノースロー調整。徐々にコンディションを整え、オープン戦は指名打者での起用もありながら開幕には間に合った。ところが4月28日の阪神戦(マツダ)で守備中に右太腿裏筋挫傷を引き起こして途中交代。翌29日には出場選手登録を抹消され、連続出場が700試合で止まった。

 それでも患部を回復させて5月25日に一軍復帰すると空白期間を埋めるかのように打ちまくり、チームを支える屋台骨に返り咲いた。本塁打だけでなく、121四球、出塁率4割8分2厘はリーグトップ。さらに打率3割2分4厘、95打点と申し分ない成績をマークしている。

 丸は好調の秘訣を問われると「しっかりとしたルーティンや(試合の)入り方ができているから」と応じることが多い。好調時だけでなく不調時にも大きな行動の変化は起こさない。それは商売道具にも表れており、メーカー担当者は「バットは重さや長さが様々で選手によっては成績が良くない、打てないということでシーズン中にバットを替える人もいれば、体の変化に応じてシーズン前に新調する選手も多いです。しかし、丸選手はレギュラーに定着し始めた2013年ごろから5年はバットを替えていませんね。なかなかいないと思います」と話す。現在は約910グラムのバットを使用中だ。

 これについて丸は「僕はマスコットバットもプロ2年目から持っていないし、重いとか長いとか変わるのが嫌い。試合と同じもので練習するし、感覚が変わるとすごく気持ち悪い」と言う。試合前、打席に入る前には滑り止めスプレーが付着したグリップをハサミの刃で削る作業を欠かさないのも感覚の狂いをなくすため。「松やにが2度塗りの状態になっていると手の温度でベタベタというかヌルヌルになってしまう。そうやって気になってしまったら肩が上がってしなやかなスイングができなくなる」。時間にして約1分。手に熱がこもる汗っかきの丸には大事なひと時である。

 また、前出の担当者によると「『湿気のせいか打球が飛ばなくなった。あと数メートルでスタンドに入ったのに』と悔しがってバットの収納はジュラルミンケースにするようになりました」と“相棒”を徹底的に管理している。

 背番号9が球界屈指の強打者となった裏には浮気をしないいちずな思いがあった。