V3広島のキャンプ地・宮崎のJR日南線油津カープ駅が呼んだ“奇赤”

2018年09月27日 16時30分

カープカラーに塗り替えられたJR九州の油津駅

 広島東洋カープのセ・リーグV3で、広島から遠く離れた宮崎県のある駅周辺が盛り上がっている。JR日南線の油津(あぶらつ)駅(日南市)だ。なんとこの駅、大胆にも駅舎を「カープカラー」に塗り替え、カープファンの間でも「いつか行きたい!!」と話題のスポットになっている。

 油津駅はカープのキャンプ地、天福球場の最寄り駅だ。昨年10月、カープのクライマックスシリーズ敗退が決まったころ、地元の市民有志が「カープを応援するために」と駅舎を赤く塗ることをJR九州に提案した。するとJR九州は快諾し、あっという間に改修がスタート。今年のキャンプが始まった直後の2月4日には、カープの緒方孝市監督を招いて、真っ赤に染まった「カープ油津駅」のお披露目セレモニーが行われた。

 広島市内にもここまでやってしまった駅はない。キャンプ地を訪問するカープファンの人気スポットになったのは言うまでもないが、塗り替えた効果はそれにとどまらなかった。

 JR九州宮崎総合鉄道事業部長の宮野原佳氏によれば「油津駅の2月の売り上げは、対前年約2・3倍。2月から8月の累計は対前年1・25倍と大きく伸びました」という。

 実は日南線の油津駅前後はいわゆる「不採算区間」。利用者数が国鉄時代の赤字廃止路線の目安となる平均通過人員4000人を大きく下回っており、2017年度の平均通過人員は、田吉―油津間が1189人、油津―志布志間は210人と厳しい。

 本来ならキャンプが終われば売り上げが増える要因はないローカル線で、今年は駅舎塗り替え以降も利用者が増えた。これは“カープ駅が呼んだ奇跡”と言ってもいい。

 駅からすぐの油津商店街には「油津カープ館」が設置され、天福球場までの歩道が赤く塗られるなど、こちらもカープファンが来たくなる仕掛けが用意されている。

 一昨年のカープ優勝の瞬間には800人、昨年は500人のファンが商店街に集まって応援。優勝した26日は土砂降りの悪条件の中、油津商店街に集まった400人が歓喜した。

 宮野原氏によれば「V3を達成したら、記念して油津駅の構内をお祝い装飾します。油津駅が広島県外にあるカープファンの“聖地”のひとつになって、ファンの方々が勝利の喜びを分かち合えるような場所になってくれるとうれしい」と語る。

 この駅の存在が広く知られれば、観光地としても人気になりそう。カープ人気がローカル線を救う!?