由伸監督の覚悟 14日の死球以降13打数無安打の4番岡本と心中 

2018年09月21日 16時30分

室内練習場で汗を流す岡本

 巨人の命運は若き主砲に託された――。高橋由伸監督(43)は20日、残り9戦となったシーズンの最後まで岡本和真内野手(22)をスタメン4番起用で貫く構えを示した。開幕からチームをけん引してきた背番号25だが、右手に受けた死球の影響で現在は13打数無安打の急ブレーキを踏んでいる。それでも指揮官は「最後まで託したい」と心中宣言。力強い言葉に込めた自身の覚悟とは――。

 神宮で予定されていたヤクルト戦は翌21日に雨天順延となり、チームは室内練習場で全体練習を行った。由伸監督は選手の動きに目をやりつつ、村田ヘッド兼バッテリーコーチらと熱心に意見交換。終了後、報道陣の囲み取材に応じた。

 DeNAに完敗した前夜は就任後初の会見拒否。ただ一夜明けて表情はいつもの指揮官に戻っていた。むしろ普段以上に力強く「ここまで頑張ってきた選手。最後まで託したい」と若き4番への思いを口にした。

 岡本は14日DeNA戦で死球を受けて右手の指を負傷。以降4試合は13打数無安打と当たりが完全に止まってしまった。患部の状態を心配する声に本人は「もう治った」と返すが、周囲は首を横に振る。今も痛みをこらえ、バットを握り続けているのは間違いない。

 そんな4番の責任感を由伸監督は買っていた。状態はどん底。使い続ければ打率は3割を切ってしまうかもしれない(20日現在3割8厘)。主砲の沈黙はチームの勝敗にも直結する。それでも「今は少し苦しいときがきているかもしれないですが、そういうのも乗り越えて、経験していくことがレギュラーへの道。1年間出てこそのレギュラーだと思うし、なんとか乗り越えさせたい。今のチームは彼が軸。頑張ってほしい」と不動の信頼を口にした。

 由伸監督がここまではっきりと一選手への思いを口にすることは珍しい。まさに岡本との心中宣言だ。現在3位のチームは4位DeNAと0・5差、最下位の阪神にも1差に迫られている。「そこ(順位)はどうなるか分からないですけど、一つでも多く勝つことが(CS進出に)近付く道。残り9試合、目の前の試合に勝つということしかない」。前を向くが、最近の急失速にファンの声は厳しい。山口オーナーは続投要請の意向を示しているものの、仮に2年連続のBクラス転落となれば再び進退問題は騒がしくなるだろう。開幕から向き合ってきた勝利と育成という難テーマの両立を、最後は22歳の大砲に託すと決めた。

「しっかりチャンスで1本打ちたい。集中してやっていく」。この日も頼もしい意気込みを口にした岡本。由伸監督の覚悟にどこまで応えられるか。