2位・ソフトバンクが20日の3位・日本ハム戦(札幌ドーム)に9―7で逆転勝ちした。先発・武田が初回に清宮に3ランを被弾するなど、いきなり4失点。それでも、4回に2点を返すと、再び4点差とされた中盤の6回に打者10人の猛攻で5点を奪い、勝ち越しに成功。直後に追いつかれる苦しい展開となったが、8回二死満塁から中村晃が値千金の決勝打を放ち上位対決を制した。

 執念の勝利だった。試合後、殊勲の中村晃は「僕らはもう負けられない。全勝するつもりで戦っている」と言い切った。謙虚な男の「全勝宣言」で、チームの士気はさらに高まり、投のヒーローも共鳴した。7回から4番手で登板して13試合連続無失点に封じ、リーグ2位タイの13勝目を手にした石川だ。

 8月に先発から中継ぎに配置転換となって、そこから5勝。前夜に続く白星で、チームの勝ち頭でもある右腕は「みんな、晃さんと同じ気持ちですよ。西武に3連敗して世間は『もうだめだ』みたいな空気になったけど、僕らは全然思ってないですから。もし、そういう雰囲気が選手から出たら、それはファンにすごく失礼なことだし、本当にチーム内にはそういう空気が一切ない。3連敗した後、これで3連勝。まだ西武との直接対決も(4試合)残っている。士気は全然下がっていないし、すごくポジティブに戦っている」と言葉は熱を帯びるばかりだった。

 先週末の首位・西武との天王山で3戦全敗を喫したが、王者に意気消沈の空気はみじんもない。この日の逆転勝ちで、試合のなかった西武とのゲーム差は6。投打のヒーローの決意表明は、西武にとってなんとも不気味な“宣戦布告”に違いない。