広島の新井貴浩内野手(41)が1991年以来27年ぶりの地元Vへ気持ちを高ぶらせている。

 当時中学3年生だったベテランは、かつての広島市民球場で優勝を決めた試合をテレビ越しに観戦。「(当時の)市民球場でビールかけなんかも盛り上がっていたし(野村)謙二郎さんが万歳して喜んでいたのも記憶に残っている」と振り返る。その上で「マツダではまだ優勝を決めきれていない。ファンの方に喜んでもらえたら」。20日からは本拠地で9連戦。地元Vは時間の問題だ。

 そんな新井はグラウンド外でも話題となっていた。それは現役引退を記念したグッズ販売のこと。同商品はレプリカユニホームから記念球やキーホルダーといった小物まで全7種類を用意している。球団のオンラインショップではすべて「入荷待ち」なのだが、13日から販売を開始した球場内のショップでの反応はイマイチ。担当者は「(初日は)行列が20~30人くらいしかできていなくて、全然売れなかったんです。黒田さんの引退記念グッズを販売したときは長蛇の列ができて飛ぶように売れたのですが…。在庫も余りまくっています」と心配する。

 それでも球団幹部は「黒田のときは通信販売が期間限定での発売ということもありましたし、店頭では初日にドカーンと売れてその後も売れたのだと思います。今回の新井の場合、店頭に余まっても通販に回したりできますし、売り上げ自体変わらないのではと考えています」と説明する。

 一方、チーム関係者からは「新井だからあえてファンが一旦引いたのでは?」と壮大なイジリだと推測する声も…。鯉党からの惜別の意味が込められているのかもしれない。

 何はともあれ、チーム内外から愛される新井さんが歓喜の瞬間に注目を集めるのは間違いなさそうだ。