阪神が14日のヤクルト戦(甲子園)を0―4で落とし、借金は今季ワーストタイの「9」に膨らんだ。ヤクルト先発・原の前に8回までわずか2安打と沈黙。あまりにふがいない戦いぶりに右翼席の虎党からは「気合入れろ! タイガース!」の大合唱が起こるほどだった。

 だが、それも効果なく今季11度目の零封負けを喫した金本知憲監督(50)は「結果を恐れて思い切りがない。もっと若さを出してほしい。投手に向かっていく姿勢を忘れている。若い選手が結果を恐れずにやってほしい」と苦言を呈した。

 今年は揚塩社長が年頭式で「ベンチで戦う姿勢を前面に出す。試合に前のめりになる姿勢を前面に出すことを意識してほしい」と述べたように“覇気を出す”ことがテーマの一つ。しかし、現状のチームではそれがまったくできていない。

 なぜなのか。本紙評論家の得津高宏氏は「若手が結果が出ないことを恐れ、思い切ったプレーができないのは、ベンチにも理由があると思います。金本監督は昔のやり方で選手を育てようとしているから、うまくいかない。昔のように選手の尻を蹴っ飛ばしてやらせるのではなく、今の選手はおだててのせてやることが大事。このへんはコーチを経験していない金本監督の弱みかもしれません。あの星野さんだって、楽天の監督をやったときは丸くなっていた。金本監督も時には歯の浮くようなせりふを口にしてみてもいいのではないでしょうか」と指摘する。

 そして「3位の巨人とのゲーム差は1・5。しかも阪神は巨人より10試合も多く残しており、明らかに有利な状況です。今の金本監督が考えるべきは、残り試合をいかにいいムードで戦えるか。これだけでいい。厳しい連戦も勢いがつけば一気に乗り切ることも可能です。それには若手をうまくノセないと…」と続けた。

 逆を言えば重いムードのままでは、残り試合の多さがアダとなるということ。果たしてムードを変えることはできるのか…。