ソフトバンクとの天王山を翌日に控えた西武が14日の楽天戦(メットライフ)に10—5の貫禄勝ち。山川、森、中村の3発などの大量援護に守られてエース・菊池が8回2安打1失点で12勝目(4敗)を挙げ、直接対決を前にホークスとの差を3・5ゲームに広げた。

 最後は今後を見据え自信喪失中の左腕・武隈(結果は1回4失点)を試す余裕さえ見せた辻監督は「良かったです。選手たちも十分に今日の試合が重要だと分かっていた」と最下位・楽天戦を取りこぼすことなく勝利した結果に安堵。先発・菊池の投球について「ここ数試合、脇腹を気にしているところがあった。今日は非常にバランス良く、力まずいいフォームで投げられていた。彼の力とすれば、これから最後の試合までいい投球ができると思う」と今回は苦手ホークス戦の登板を回避したエースの奮起に期待した。

 そして「(初回に先制した)キャプテンの執念ですよね。あの1点でチームの雰囲気が良くなったし、山川の本塁打につながって雄星にとっても大きな3点になってくれた」と練習ではフルスイングができないほどの腰痛を抱えながら強行出場し、技ありの先制右線二塁打を放った浅村をたたえた。

 結局、浅村は6回の守備から呉に交代したが、指揮官は「(スタメンは)もちろん迷うところはあった。こういう点差になったから代えた」とその執念に脱帽。いよいよ迎えるホークス戦には「本当に天王山というゲームになる。選手たちがここまでずっと突っ走ってきましたから私たちも選手達が全力でやってくれる(ことを信じる)。そこだけだと思います」と選手への変わらぬ信頼を口にした。