本拠地CSが遠のく黒星だ。巨人は13日のヤクルト戦(東京ドーム)に2―4で競り負け、今カード痛恨の負け越しで借金は5となり、2位・ヤクルトとのゲーム差は3に開いた。打線が3連戦でわずか4得点では勝てないが、同じく目立ったのはリリーフ陣の脆弱性。今カードから勝ちパターンに畠を投入したが、ブルペンはいまだ混乱が続いている。
最低、勝ち越しが求められたヤクルトとの直接対決は2敗1分け。敗因はまず打線の湿りっぷりにある。この日も岡本の31号ソロで先制はしたが、その後が続かない。逆転され、3点を追う9回にマギーの犠飛で1点を返したが、48イニング連続適時打なしは重症だ。
ゲレーロを1番に置くも起爆剤にならず、由伸監督の表情も渋い。「次の1点が遠い? それが一番ですね。昨日も今日も(本塁打で挙げた)その1点以降が取れていない」と連日の貧打を嘆いた。
7回途中2失点の田口を含め、先発陣は3戦とも踏ん張っただけに責められない。だが、リリーフ陣はいまだにバタついている。初戦はメルセデスの後を受けた2番手のアダメスが勝ち越しを許した。2戦目は1点リードの9回に山口俊が3四死球と犠飛で同点を許し、痛い引き分け。そして、この日もリリーフ陣が失点を重ねた。
7回に田口が3安打で同点を許し、なおも一死一、二塁でベンチは今カードからブルペン入りした畠を投入した。山田哲を打ち取り、二死一、三塁で相手は主砲バレンティン。歩かせる選択もあったはずだが、勝負は裏目に出た。フルカウントから小林は内角直球を要求したが外寄りの逆球となり、中前にはじき返されて勝ち越しの走者生還を許した。さらに痛かったのは9回の追加点。4番手・中川が青木に2ランを被弾し、トドメを刺された。
今季のブルペンは入れ代わりがとにかく激しい。マシソン、カミネロが故障帰国し、澤村は不振で二軍再調整。代わって投入された山口俊、野上、畠は先発からの配置転換組だ。スタッフは「勝ちパターンなのか、敗戦処理なのか。誰がいつ、どこでいくのか、というのが常に定まらないから、特に若手は調整も、気持ちの持っていき方にも苦労している」と指摘する。
自身は2戦連続無失点の上原も、表情は晴れなかった。ブルペンのリーダー格として「一軍で投げさせてもらっている以上、みんな結果を求めて投げるしかない」と前を向こうとしたが、厳しい敗戦には「これが勢いの差なのかな…」ともどかしさも口にした。
残るは14試合。だがブルペン陣が安定しないことには、ラストスパートもかけられない。