巨人・由伸監督「続投」へ 山口オーナー「チームを整えて」発言の意味

2018年09月13日 16時30分

ベンチで浮かない表情の由伸監督(左)

 巨人の球団トップが高橋由伸監督(43)に来季の続投を要請する意向を示した。東京都内で12日に開かれたオーナー会議後、山口寿一オーナーが今季が3年契約最終年となる指揮官の評価に言及。若手育成の手腕をたたえた上で、4年目となる来季へ向け「チームを整えて腕を振るってもらいたい」と述べた。親会社の代表取締役社長でもある同オーナーの発言は重く、今後は指揮官自身の意思と周辺人事が注目となる。

 由伸巨人は3年目も苦しい戦いを強いられている。首位広島には大きく引き離され、球団ワーストタイの4年連続V逸は決定的。山口オーナーはまず「ジャイアンツの現状に関しては危機感を持っています」と切り出すと「(由伸監督の就任以来)3年間優勝から遠ざかっている。優勝できていないというだけじゃなく、優勝争いから遠ざかっている」と厳しい現状認識を示した。

 当然、契約最終年の指揮官の去就にも関心が高まっていることは承知している。ただ、同オーナーは「その危機感は高橋監督とは共有できていると思っている」とした。続けて今年の春季キャンプ中、直接会談した際のことを引き合いに「監督は『今年は若い選手を勇気を持って使っていく』と話をしてくれた。その後いろいろ誤算があって、チームの状態は必ずしも望んでいたような状態ではないけれども、監督はチーム事情にかかわらず、そういった考えは貫いてきてくれている」と高い評価を口にした。

 チームでは昨季まで3年間でわずか1本塁打だった岡本が大ブレークしたのを筆頭に、吉川尚ら若い力が着実に芽吹きつつある。「彼らがかなりの成績を残しているのは、監督やコーチ陣が力を合わせて、若手を育てようとしたのも大きかったと思う。そうしたことを踏まえると、まだペナントレース途中だから、この先のことはあれこれ言える時期じゃないけれども、十分にチームを整えて監督には腕を振るってもらいたいなと私は考えている」と来季も指揮続投への期待を述べた。

 山口オーナーは渡辺恒雄主筆とともに読売新聞グループ本社の最高経営者でもある。「連日試合が続いていますから、監督とはそういった話もできていないので、あくまでも今の時点での私の一方的な考え」と強調したが、その言葉には重みがある。併せて「(渡辺主筆は)かねて高橋監督の力を認めている。同じ考えだろうとは思う」としたことからも、親会社としての方針はすでに固まっていると見るべきだ。

 とはいえ、チームは現状3位で激しいCS進出権争いの真っただ中。順位争いは予断を許さない。今後は由伸監督本人の意思も注目となる。また山口オーナーも手放しでユニホーム組すべてをたたえたわけではない。「チームを整えて」という点には補強面だけではなく、コーチの人事刷新も含まれるはず。嵐は来ない、と決め付けるのはまだ早い。