中日が屈辱的な逆転負けを喫した。4日のヤクルト戦で9回に6点リードを追いつかれるまさかの展開。揚げ句に延長11回に上田にサヨナラ3ランを浴び、9―12で敗れた。これで鬼門の神宮球場で8連敗。借金は今季ワーストの15とまさに泥沼だ。

 誤算はこの日、一軍登録されたばかりの田島慎二投手(28)。9回のマウンドに上がると3安打1四球、2暴投の大乱調で4失点。これが大逆転負けへとつながり「ファームでやってきたことができていないし、ゲームの中で修正できなかった」とうなだれた。

 開幕から抑えを務めたが度重なる失敗で7月17日に登録抹消。その後、二軍で10試合連続無失点と結果を出し、この日の一軍復帰となったが、結果は無残なもの。森監督は「田島に抑えてほしかった? そうじゃなきゃ出さねえだろ。下(二軍)で十何試合無失点でも問題はこっちに来てから」とばっさりと切り捨てた。

 このところ“代魔神”を務めていたリリーフで最も信頼できる佐藤を8回に投入し、田島を9回に。「最後は田島で行くと決めていた」(朝倉投手コーチ)とセーブの付く場面でもこのセットで行く予定だったという。8回から9回につなぐ「勝利の方程式」を早く作りたいとの考えだったようだが、それが結果的に裏目となった。

 何より痛かったのは登板後の試合は9戦9勝だった勝利の法則「松坂神話」も崩壊したことだ。チームにとって、CS進出へのよりどころの一つでもあっただけに、屈辱的な逆転負けより神話崩壊のショックのほうが大きいかもしれない。