<巨人5-3中日(31日)>球団にとっては痛しかゆしかもしれない。中日のダヤン・ビシエド内野手(29)が31日の巨人戦で初回に8月47安打目となる先制打を放ち、2013年8月に村田(巨人)が打ち立てたセ・リーグの月間最多安打記録を塗り替えた。

 1996年8月にイチロー(オリックス)が樹立した日本記録には1本届かなかったが「イチローさんの記録に迫ることができたことには満足している。シーズン最後まで力強く戦えるように明日からも頑張る」と充実の表情。打率3割4分7厘はリーグトップで「(首位打者は)シーズンが終わったときに取れていたらいいね」と目を輝かせた。

 ところが、球団側は今季で2年契約が切れるビシエドの大活躍に複雑な胸中だ。チーム関係者は「来日3年目にしてついに打撃が開眼したかのように打ちまくっているし、守備もかなり良くなっている。昨オフのゲレーロように今オフはビシエドが巨人に獲られてしまうことになりかねない。これだけ真面目でチームのために献身的な外国人はそうそういないからね」と警戒を強める。

 この日12号ソロを放ち打率も3割超のアルモンテ、12勝7敗で防御率2・77を誇るガルシアも好成績をマーク。別の関係者も「早く手を打たないと、巨人やソフトバンクといった金満球団にウチの優良助っ人を根こそぎ奪われかねない。ウチはマネーゲームをしないから。外国人は日本へ儲けに来ているからお金を積まれたら普通はそっちへ行ってしまう。現場はたまったものではないよ」とボヤキ節が止まらない。ビシエドら外国人が活躍すればするほど中日の危機感が募りそうだ。