5勝目のメルセデスが伝統変えるか…巨人“カリブの買い族”になる?

2018年09月01日 13時00分

連敗ストップに貢献したメルセデス

 ドミニカン左腕は巨人の伝統を変えるか――。31日の中日戦(ナゴヤドーム)は5―3で勝利を収め、連敗を4でストップ。C・C・メルセデス(24)の8回2失点の奮投に、打線が岡本の3安打4打点の活躍などで応え、左腕に5勝目をプレゼントした。育成出身助っ人の快進撃は、来季へ向けた球団の外国人補強方針にも影響。今オフはカリブの島国を舞台に熱い戦いが繰り広げられそうだ。

 投げるたびに安定感が増していく。前回対戦で5失点と苦しんだ中日打線に対し、メルセデスは高い対応力を示した。制球の良さから勝負を急ぎ過ぎる面があったが、大城とのコンビで「ボール球を有効に使うことをテーマにした」ときっちり修正。8回に2点目を失って同点とされたが勝ち越しは許さず、仲間の勝利を呼び込んだ。7月に一軍デビューし、8戦5勝の数字もさることながら防御率1・61は圧倒的だ。クオリティースタート(QS)率も高く、苦しいブルペンの救世主となっている。

 由伸監督も左腕が好投するだけでは、もはや驚かない。「よく粘って投げてくれた。最後の1点はもったいなかったが、安定した投球を見せてくれた」と称賛。2年前、育成入団した当初の推定年俸230万円だった若者のブレークはメジャーや国内の大物助っ人買いを続けてきた球団の伝統も変えつつあるようだ。

 昨オフには中日から2年総額8億円でゲレーロを引き抜いたばかりの巨人だが、今季は新外国人のガルシアとアルモンテにも興味津々。球界関係者によると「かなり早い段階から、細かい契約状況の調査に乗り出していたようだ」という。

 ところがゲレーロが二軍降格となった時期から情勢が変化。メルセデスやアダメス、マルティネスの“ドミニカン・トリオ”が支配下登録されて故障者続出のチームを支えるようになると、次第に“名古屋撤退”の風に変わっていった模様だ。

 当の巨人内部からもこんな声が上がる。「ゲレーロみたいに期待していた選手が働かないと現場もフロントもショックが大きいし、2年連続で失敗となったら大変。ウチも昔みたいに無尽蔵にカネを使えるわけじゃない。今はドミニカから素材型の選手を連れてきて日本式に育てるのが、球界のトレンドでもある。名古屋にはちょっかい出さず、中日とは向こう(ドミニカ)でやり合えばいいんだよ」

 ドミニカ共和国からの人材発掘といえば、近年は中日が森監督の人脈を武器にリードしてきた。現地にアカデミーを抱える広島にも一日の長がある。ただ巨人もここ数年間は幹部クラスが何度も現地に渡り、着実に地盤を築いてきた。メルセデスの成功でより自信を深めているだけに、今オフはさらなる大攻勢を仕掛けそうな気配だ。

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