WBC選考方法に異論「失礼な仕打ち」

2013年02月21日 16時30分

最終メンバーを発表する山本監督

【WBC】侍ジャパンの最終メンバー28人が20日、ついに決定。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)3連覇を目指す布陣が固まった。同時に浅尾(中日)、山井(同)、大島(同)、村田(巨人)、聖沢(楽天)が無念の落選となり、結果的に視線が集中することになった。そんな今回の選考方法には、各方面から異論が噴出。侍ナインの間からも「ひど過ぎる」と怒りの声が上がっている。

 代表候補選手にとって、最後のアピールの場となった20日の紅白戦。サンマリン球場はピリッとした緊張感に包まれた。

 試合では当落線上にいたメンバーの躍動が目に付いた。課題の打撃で2安打と猛アピールした聖沢は「自分の力は出し切れた。落とされても悔いはありません」。村田も、内野安打に盗塁と足で魅せ「やれることはやった」と納得の表情を浮かべた。

 ただし投手では、登板予定だった浅尾が右肩不安がぬぐえず「大きなけがにつながる恐れがある」(与田投手コーチ)ため、回避。前回の西武戦で炎上した山井もリベンジに燃えたが、1回2安打1失点と結果を残せなかった。

 そして午後6時、いよいよ運命の瞬間が訪れる。宮崎市内の宿舎でNPBから最終メンバー28名が発表され、山本監督が囲み取材に応じた。

 28人の名前を順に読み上げた指揮官は「毎日のようにスタッフと相談して、今日の今日まで悩みました。外れた5人の選手も侍ジャパンの一員。何かあれば参加してくれるように伝えた。(選考は)本人たちにとってもそうだけど、我々にとってもつらい選択だった」。また合わせてNPB側からは「代表チームから外れた5人の選手の心情をおもんばかり」所属チームへ戻るまでの間の“取材自粛願い”が通達された。

 首脳陣や選手の表情は一様に重苦しく、とてもではないが最終メンバーが決まって意気揚がるといったムードではない。そもそもなぜ今回のような選考方法を選択したのか。疑問を投げかける関係者は少なくない。

 前回WBCに参加した関係者は「(誰かを落とすというのは)一流の選手に対して失礼な仕打ちだ。前回の反省を生かすよう、浩二さんにも進言したんだが…。33人という中途半端な人数を選ぶからこうなる」。

 ナインからも、選考方法への不満ばかりが聞こえてくる。ある主力野手は「今回のやり方はひど過ぎますよ!」と憤りを露に声を上げた。「最初から28人を決めて、故障者が出た場合に備えて“補欠”を選んでおけばよかったんですよ。その選手には『万が一、呼ぶこともあるから準備しておいてくれ』と伝えるか、所属チームの監督に耳打ちしておけばいい。これなら今回みたいにさらし者になる選手はいなかったでしょう」

 実際には「張り切っているところを見せても、落とされたとき格好悪い。恥はかきたくないし、ほどほどにやります」と話していた選手もいた。

 傷心の5人を含む33人の侍たちはこの夜、宮崎市内の飲食店で合宿打ち上げを兼ねた“慰労会”を開催した。費用は、山本監督のポケットマネーから出されたという。

 侍たちの誰もが等しく胸を痛めたこの日。これも本大会へ向けて必要な関門だったのか、それともいらぬ遺恨を残しただけとなるのか——。

 

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