V方程式の復活はあるのか。3位・巨人は22日のDeNA戦(横浜)に0―2で今季9度目の零封負けを喫し、5割復帰を目前に借金は再び2となった。残り30試合を切り、すでに優勝は絶望的な状況となっているが、クライマックスシリーズ(CS)へ向け、最大の懸念材料となりそうなのが不安定な救援陣だ。なかでも左ヒザ痛で戦線離脱中のスコット・マシソン投手(34)の復帰メドが気になるところだが…。

 どうにもホームが遠かった。得点源となるクリーンアップはマギーがマルチ安打とチャンスメークするも、新主砲の岡本が3三振に倒れるなど、阿部とともに4打数無安打に終わった。先発・吉川光は7回4安打、2失点と好投したが、4回に筒香に浴びた2ランが最後まで重くのしかかった。連勝が3でストップした由伸監督は試合後、吉川光を「全体的によかったと思いますよ。本塁打(を打たれるの)はよくないですけど、この球場で唯一あれぐらい」と責めることなく「点を取らないと勝てない」と打線に奮起を促した。

 シーズンはあと29試合。2位以下が6ゲームにひしめく中、巨人はリーグ最速で試合を消化しているだけに、一つでも多く勝ち星を重ねておきたいところだ。そのカギを握るのはやはり、終盤のリリーフ陣だろう。ただ、開幕時に上原、澤村、マシソン、カミネロで形成された必勝リレーは不調や故障者で崩壊。巻き返しを図る上で一刻も早い方程式の再構築が待たれている。

 中でも復活が望まれるのは長年ブルペンを支えるマシソンだ。今季途中からクローザーも務めたが、左ヒザを痛めて7月29日に登録抹消。一時は回復傾向を見せ、ブルペン投球を再開したものの、再びアクシデントに見舞われ、現在は投球動作も行えない状況だ。

 三軍で慎重にリハビリ中の助っ人右腕は「最短で戻ることを目標にしていたけど、すぐに復帰できる状態ではない。今はヒザに負担をかけないようにしている。(精密検査の結果を受けて)今週中に次のプランが見えてくると思う」と話し、今後は白紙状態。シーズン中やCSからなどの復帰目標、手術の可能性についても「予測するのは難しい。まだ分からない」と肩を落とした。

 また、不振で6月末に二軍降格したカミネロはその後にコンディション不良を発症。こちらも回復傾向にあったが、この日から再びリハビリ組に合流した。先月下旬から二軍調整中の上原も実戦登板は1試合で先行き不透明だ。「若い選手たちがプレーする機会を得ているのはいいこと。でも、サヨナラ勝ちした中日戦(19日)のような試合でその場にいられず、テレビで見ているのはもどかしい。可能性がある限り、残された試合を一つでも多く勝てるように頑張ってほしい」(マシソン)

 当面は澤村と育成上がりの“臨時守護神”アダメスらに託し、綱渡りで乗り切っていくしかなさそうだ。