中日が15日のDeNA戦(ナゴヤドーム)に5―1の完勝で連敗を3でストップした。勝利の立役者は8回10三振1失点の好投で今季2勝目を挙げた小熊凌祐(28)だ。無表情がトレードマークの右腕は「最後まで行きたかったですけど、チームが勝ててよかったです。これが僕の全力の笑顔です」とちょっぴり口角を上げた。

 2016年に5勝(2敗)を挙げ飛躍が期待された昨季はわずか4試合の登板で0勝3敗と大きく低迷。140キロ台だった球速が130キロ中盤にまで落ちたことが原因だった。「それまでちゃらんぽらんな生活だったが、5勝したこともあって自覚が芽生えた。大好きだった炭酸ジュースを飲まないようにするなど節制するようになった」(チーム関係者)

 ムダな肉がそぎ落ち、精悍さが増した。だが皮肉なことに、体重が減るのに比例して球速もどんどん落ちていったのだ。

 このままでは終わってしまうとの思いもあり、今季から今まではシーズン中にはしていなかったウエートトレーニングにチャレンジ。すると球速が徐々にアップ。この日は最速148キロを計測した。

「去年は真っすぐで空振りは取れなかった。今年は取れているんで良い真っすぐが行っていると思う。筋トレの効果はあると思います」と小熊。2年越しの肉体改造がようやく実を結んだ。