阪神のブルペン陣が正念場を迎えている。14日からの広島戦(京セラ)は負ければ即マジック点灯を許す大一番。先発する岩貞はプロ入り後、対広島は16戦で0勝10敗と相性は悪いが「他のセ・リーグ5球団と同じような入りで意識せずにやっていきたい」と“17度目の正直”を誓い、ロサリオも「いつも完璧とはいかないけど、打ち続けたいね」と腕をぶした。

 3カード連続勝ち越しと好調な阪神の生命線は、抜群の安定感を誇るブルペン陣だ。今季は6回終了時にリードしていた場合、37勝0敗1分けと驚異的な数字をマークしている。金本監督も「勝ちゲームをしっかり取れているのはリリーフさまさまですね」と賛辞を贈るほど。しかし、盤石に見えながらも“ガス欠”を心配する声が出始めている。

「最近は先発が早い回で降板するケースが多い。ブルペンは全体的に年齢層が高いので無理はさせられないはずなんだけど…。今は踏ん張っているが、このままだと秋の勝負どころを前にしてバテてしまう。先発投手が少しでも長い回を投げてくれないと…」(あるコーチ)

 球界史上初となった“60試合登板クインテット”が誕生した昨年同様、最大でも3連投までという取り決めは現在も守られているものの、先発の早期降板が続き、ブルペン陣はフル回転の連続。12日のDeNA戦(横浜)でもドラフト1位・馬場が3回途中にKOされ、ブルペンは大忙しになった。

 そんな状況とあって予断は許さない。投手陣からは「これから狭い球場での試合が続くので、投手にとっては、さらに厳しくなる。その分、打線が打ってくれると期待しているけど…」との声が上がっているが、ブルペン陣が火の車になることだけは避けたい。