巨大戦力ソフトバンクのジレンマ

2018年08月10日 16時30分

投球練習をする大竹耕太郎(手前)を見つめる工藤監督

 王者ならではの悩みということか。2年連続日本一を目標に掲げていたソフトバンクだが、現在3位ながら借金1。残り49試合で首位・西武には10・5ゲーム差をつけられており、自力Vの可能性が消滅するのも時間の問題だ。

 それでも工藤公康監督(55)は「まだまだ諦める数字ではない。CSうんぬんより、一番上に立てるようにやっていかないといけない」とファイティングポーズを崩さない。今季は4月半ばまでにセットアッパーの岩崎と絶対的守護神サファテが相次いで離脱。さらに内川、松田宣、デスパイネら超主力級野手が大不振にあえいでいる。こんな時こそ日替わりヒーローが出れば上昇のきっかけとなるだけに「どんどん若手を試してみてもいいのでは」(球団関係者)との声も出つつあるが、思い切って動けないのはソフトバンクには「日本一になれなければミッション失敗」(後藤球団社長)という骨太のスタンスがあるからだ。

 前段階のリーグ優勝が残っている以上は諦める選択肢はないし、何より巨大戦力が看板通りに機能すれば大型連勝も期待できないわけではない。球団フロントの一人は悩ましい現状について「優勝がなくなったのなら、CSで勝つことだけに切り替えて、うまくレギュラーを休ませて調整させつつ、若手も試していけばいいが、優勝の可能性がある以上はそうもいかない。いくら不振でも若手と比べたら力の差は歴然。首脳陣としても計算できるベテランを思い切って下げてまで若手を使うのは難しいですよ」と話す。常勝軍団となったソフトバンクにはベテランに高年俸選手も多い。育成出身ルーキー・大竹が初登板初勝利するなど起用された若手は活躍しているが、チーム事情からいっても高給取りが苦境を打破するしかない。

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