大下剛史氏「首位と最下位の差を痛感 中日・福田の考えられないプレー」

2018年08月10日 16時30分

笠原(右)に声をかける福田

【熱血球論 大下剛史】中日がサヨナラ負けで3タテを食らった9日の広島戦で、両チームの差を痛感するワンプレーがあった。4回、広島が西川の適時打で同点に追いつきなお無死一、二塁の場面だ。岡田の投前へのバントは三塁で完全に封殺できる打球だったが、三塁手の福田は前に出てしまってベースに戻れない。みすみす一死二、三塁とピンチを広げてしまった。

 あれは三塁手が絶対に前に出てはいけない打球だ。笠原が踏ん張って追加点にはつながらなかったが、広島の守備陣なら考えられないプレーだ。投げて打っては両チームにそれほど力の差はない。ただ、こうしたちょっとしたことが積もり積もって首位と最下位という差になっている。

 福田はもともとが捕手で、内野はほとんど一塁しか守っていない。今年から打撃を買われて三塁へ本格的にコンバートされた選手。プロのコンバートとはそんなに簡単なもんじゃない。守備が打撃にも影響する。

 福田のコンバートは首脳陣が決めてキャンプから練習もさせていたのだから、私がとやかく言うつもりはない。福田も本職じゃないのだからミスもする。守備でミスをすれば苦しいだろう。それでも「俺は打ってナンボの選手。守りのミスは打って取り返す」ぐらいの強い精神力を持ってほしい。

 大事なのは首脳陣が守りのミスを怒らず、どれだけ我慢できるか。練習をさせるのは当たり前だが、怒ってはいけない。そうしたベンチの我慢が選手へも伝わる。それが首脳陣と選手の強い絆にもなる。まだまだ中日は発展途上。このワンプレーを見てつくづくそう思った。 (本紙専属評論家)