いよいよ待ったなしだ。巨人は5日の楽天戦(東京ドーム)に1―4で敗れて3連敗。借金4となった。相手打線を上回る8安打を放って再三の好機をつかんだが、4戦連続2桁残塁の拙攻で得点にはつながらない。最大のブレーキは下位打線に並んだ不振の助っ人コンビだ。首脳陣のストレスは膨らむ一方で、不動の外国人枠に揺らぎが見え始めている。

 本塁が遠かった。高橋由伸監督(43)は開幕から不動の二塁レギュラーだった吉川尚を外し、田中俊を2番でスタメン起用。さらに今季初めてマギーを6番に下げ、ゲレーロを7番に並べる新オーダーを組んだが、結果は空回りに終わった。

 左足に不安を抱えながら強行出場の坂本勇は4打数無安打3三振。主将が苦しいときこそ助っ人コンビが頼みだが、得点圏で3度凡退を重ねるなど、2人合わせて8打数1安打とこの日も振るわなかった。打線は今季ワーストタイの12残塁を記録。たった3安打で4得点の相手に交流戦初白星を献上した。

 どうにも好転しない状況に、由伸監督も「先に点を取ってリードした形で試合を進めるのが一番いいが、なかなかそうならない」と嘆くばかり。不振の助っ人コンビには「そこだけが悪いわけじゃないが、期待している2人なのでなんとか頑張ってもらわないと」と奮起を促した。

 絶対的な4番候補として迎えたゲレーロの不振は、巨人にとって大きな誤算だ。東京ドームに本拠を移して昨季の35発を上回る本塁打量産を期待されていたが、徹底した高めと内角攻めに苦しんでいる。先月は打率2割2分6厘、4本塁打と失速し、最近3試合も13打数1安打。得点圏では輪をかけて打てず(2割3分3厘、本塁打0)、気付けば打順は後がない7番まで下がった。

 昨季打率3割をマークしたマギーのバットも湿っている。開幕直後の不調こそ脱したが、2割7分5厘、5本塁打では物足りない。ゲレ砲同様に、得点圏で2割4分1厘と勝負強さを発揮できていないのが痛い。こうなると、いやが応でもあのプランが首をもたげてくる。二軍で9試合5勝2敗、防御率1・57と抜群の安定感を誇っているテイラー・ヤングマン投手(28)の昇格案だ。

 チームスタッフもベンチの思惑をこう推察する。「クリーンアップを打っているなら外せないでしょうが、6、7番に置くような外国人なら、どちらかを外してもさほど影響はありません。ここらで2人の状態を見極めて、調子が上がらない方をヤングマンと入れ替える手もいよいよ考え始めたのでは。打線以上に先発の駒不足は深刻ですから」

 6日の楽天2戦目は今村、翌3戦目はルーキー鍬原が登板予定。その後は強打の西武、ソフトバンク戦と続く。先発陣の再編がうまく進まないようだと、助っ人大砲2人の立場はますます苦しくなりそうだ。