中日が19日の阪神戦(ナゴヤドーム)に3―2で逆転勝ち。前夜(18日)の1点差逆転負けのお返しをした。

 攻守で存在感を見せたのが、主砲のダヤン・ビシエド内野手(29)だ。先発のオネルキ・ガルシア投手(28)は初回から制球が全く定まらず、いきなりの連続四球とピンチ。すると一塁のビシエドはマウンドに歩み寄りガルシアに何度も声をかけた。「彼のペースじゃなかった。熱くなっている感じだったんでね。慌てないで、落ち着けって」

 そんな言葉に励まされたガルシアはこの回を最少失点で切り抜けると、2回以降は人が変わったような投球。7回まで阪神打線を散発の2安打に封じ込めチームトップの5勝目を飾った。「ビシエドが近くに寄って落ち着いてやれ、大丈夫と声をかけてくれた。感謝してます」。同郷・キューバの兄貴分に最敬礼した。

 ビシエドはバットでも見せる。0―1の6回一死二、三塁から左中間を破る逆転の二塁打。「ちょっとびっくりするぐらいの球。ミスだと思う。それを自分でもうまく仕留めたと思う」とうなずいた。前夜は得点圏に走者を置いた2度の場面でいずれも凡退。「教訓を生かして走者を返したいって気持ちだった」と振り返った。

 母国・キューバでは18日に100人以上が死亡する飛行機事故が発生。「そのニュースは見ました。とても悲しい。犠牲に遭われた方を思うととても悲しい」とうつむいた。つらいこともある。悪いことも起きる。それでも試合はやってくる。 

 明日の試合への意気込みを問われ「一戦一戦を全力でやりたい」と話したビシエド。プロフェッショナルなプライドを胸に今日も戦いへ臨む。