<阪神2-1中日(18日)>孝行息子がチームの窮地を救った。阪神のドラフト2位ルーキー・高橋遥人投手(22)が18日の中日戦(ナゴヤドーム)で8回途中1失点と好投し、2勝目を挙げた。負ければ5位転落という状況下で、最速146キロの直球中心の投球で連敗ストッパーとなった左腕は「右打者の内角(への投球)が課題だったが、梅野さんの要求通りに投げられてよかった。勝てる投球ができるように毎試合しっかり投げていきたい」と満足げ。金本知憲監督(50)も「右打者の内角に突っ込めていた。そこは前進かな」とたたえた。

 マウンドで新人離れした度胸を発揮する高橋遥の素顔は“気配りマン”だ。プロ初勝利を挙げた4月11日の広島戦(甲子園)では打席に立った際に相手投手で亜大の先輩でもある九里に帽子を取って丁寧に頭を下げ周囲を驚かせるなど礼節には細かい。相手チームの選手に高校や大学の先輩がいればあいさつするのは当たり前。裏方スタッフにも直属の先輩がいないかを名簿などをくまなくチェックし、先輩がいればできる限り、直接出向くなど余念がないという。

 そんな姿にチーム関係者も「ルーキーで自分のことで精一杯のはずなのに、そこまで気が回るのはすごい」と舌を巻く。もちろん、勝負の場になれば先輩後輩関係なしに全力投球をする“切り替え”もできるとあって、チーム内の信頼度も急上昇中だ。